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ぽんこつがどうした?

本日の予定。  従姉妹の彼氏とランチからのハロワで給付金支給の手続き。

最近判明した従姉妹の重度知的障害と自閉症スペクトラム。

今までのことが、点と点が繋がるように従姉妹のことが理解できた。

IQ34の世界で一生懸命、周りに合わせて生きてきた従姉妹。

働きに出ても、当たり前のことが当たり前に出来ないことを怒られ、本人にその気がなくともやる気がない態度をしてると言われ、働くのが、外に出るのが怖いと家に引きこもった。人と接するのが怖い。友達ができないのは、自分の所為だと話していた本当の意味を理解するのに時間はそんなにかからなかった。

今は便利な世の中だと思う。

ネットで調べれば大抵のことはわかる。  ネットの情報だけを鵜呑みにするのはよくないと思いながらも、ネット記事を読みふけり、従姉妹のことを理解しようと努めた。

従姉妹の彼氏は、幸いにも知的障害という事に理解のある子だった。

ウィキペディア情報によると、IQ34は精神年齢でいうと5歳から7歳程度だと書かれていた。考えてみれば、ぶりっ子などではなく、従姉妹は純粋に悪気も損得勘定もなく、ただ子供な振る舞いをしていただけだと理解できた。

今までの自分の配慮のなさを悲しく、恥ずかしく思った瞬間でもある。

従姉妹の彼氏と情報を共有し、今日は唯一いる友達と遊びに行っているという従姉妹の話をする。

彼氏との生活の中、従姉妹はいつも笑顔だという。

冷たい言い方をしても、いつも笑顔で自分の帰りを待っていると。

従姉妹は過去の自分の記憶がほとんどない。  覚えていないらしい。

これもウィキペディア情報だった。 過去の記憶が残りにくく、また、痴呆症になる可能性も高いと書かれていたことを思い出す。

一緒に過ごした時間の話をしても、まるで自分のことじゃないように「そんなことがあったんやぁ」と感想を言う従姉妹。

正直、悲しかった。

いくら同じ時間を過ごしても、従姉妹は悪気なく忘れていく。

どんなにインパクトのあることでも忘れている。

常々、よく写真を撮るなとは思っていたが、従姉妹なりの記憶の残し方なのかもしれないと思った。

従姉妹は笑いながら言う。  「これで周りの人に怒られなくなる」と。

障害者枠で働けるようになれば、今までのようにきつい物言いをされることも少なくなるだろうと笑う。  

今まで、まさか知的障害があるとも知らずによく従姉妹のことを「ぽんこつ」とからかっていた。

従姉妹は診断結果を教えられ、私に連絡をしてきた時に言った。

「私、ほんまもんのポンコツやった!  ヤバい、ヤバい、ここまでアホやとは思ってなかったわ」と笑いながら連絡してきた。

起き抜けにとった電話に衝撃を受けてることも知らずに、楽しそうに明るい声で興奮気味に話す従姉妹。  1日経って、冷静になったのか、もう一度、連絡をしてきた時には、幾分落ち込んだ様子で自分は子供を持つべき人間ではないと言った。どれだけ自分が頑張って育児をしても、それは周りからみれば全然足りなくて、そんな親に育てられる子供が可哀想だから子供は産まないと。

私には子供はいない。

38歳になるが、自分の判断で、産まない人生を選んだ。

従姉妹はいつか彼氏の子供が欲しいと話していた。  それでも、足りない頭でよく考えたと、一生懸命、子供を持つべきじゃないんだと理解したと話してきた。

色々な思いが交錯する。

ドラクエウォークにハマる私に付き合って、嫌な顔ひとつせずに一緒に寒い中を歩いてくれる従姉妹。

子供みたいに一緒にスーパーに行けば、最初こそ遠慮をするものの、1つ買えばタガが外れたようにあれもこれもとおねだりしてくる従姉妹。  一言、「買わへん!今日はお鍋や!!お造りだけしか買わん」と言えば、楽しそうに「はーい」と返事をする。

ぽんこつな頭で覚えられないなら、うちが覚えといたる。

従姉妹のやらかした失敗談をいつまでも面白可笑しく話したる。

27にもなって、定期購入の意味も知らずにネットで除毛剤を買って、お金を払えずに彼氏に泣きついたことも、キャッシュカードの暗証番号を同時に2箇所分も忘れて同じ日に2度、暗証番号の再手続きをしたことも……うちが覚えとく。

忘れた頃にまたうちから話して、からかって、笑かしたる。

従姉妹の彼氏と情報を共有して、今後の手続きについて説明をする頃にはランチは全部食べきってた。

二人で笑いながら、従姉妹本人がいないのに、従姉妹の話をする。  昔話をしながら、私が知ってる小学4年生の従姉妹と今の従姉妹の生活はさほど変わりがないことを知った。今もぬいぐるみを抱いて寝てるらしい。

ポンコツな従姉妹をからかうネタができたと笑いながら、しっかりと心にメモ。

これからも従姉妹との日常を忘れないように気を引き締めた、そんな午後。

笑ったもん勝ちって事で。

これからもドラクエウォークに付き合ってもらおう。

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