担当したコミックスデザインについて
こんにちは。本を中心としたグラフィックデザイナーの齋藤です。たまには制作したコミックスデザインについての考えを書いてみます。
白湯先生作「オトナのお勉強、ハジめます。」は3ヶ月連続で発売される、全3巻のコミックスです。
タイトルは一見成人向けっぽくも見えますが、恋愛要素くらいでアダルト要素はなく、本当に勉強(宅建)に打ち込む男女を描いた内容となっています。なので成人向けと勘違いされないようにというオーダーが事前にありました。
それを踏まえてラフを3パターン用意し、
1.勉強感を押し出したもの
2.真面目な感じも出ているもの(※採用)
3.タイトルの可読性を重視したもの
というコンセプトでそれぞれ制作しました。
1は(デザインラフは載せられないのですが)勉強感ということで、ロゴに鉛筆のマークを混ぜてみたり、背景に文房具を散らしてみたりして、パッと見で勉強がわかるようにしました。
ただ、それはそれでいいけどもっと深掘りしたいと思い、本文の漫画を読み込んでいるうちに、真面目で一途な主人公、笑(えみ)の感じをもっと出すべきではないかという考えに至り、2も制作しました。
編集さん的には3を推していたのですが、最終的には2が採用されました。 2ができたときに「物語とキャラクターとデザインが繋がった」感覚になったので、採用されてよかったです。その繋がった感覚は気のせいかもしれませんが、大事にしたい感覚ではあります。
というか、物語を繋げると言いつつも、物語が完結した時点でデザインできるというのは一巻で完結するときか短編集くらいのときしかないため、今回のように3巻分完結まで読んだうえでデザインできるというのは珍しいパターンでした。 個人的には良い物語の入り口になったかなと思うので、手に取った方にもそうであってほしいです。
……という感じで、これからも余裕があったらデザインの話も書いてみようかと思います。
※この文章はTumblrに掲載していたのですがTumblrの使用を中止したためnoteに掲載し直しました。今後もデザインについてはnoteに書いていこうと思います。
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