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ソフトエナメルとハードエナメル

フェイクピンを見分ける上で重要な、ソフトエナメルとハードエナメルというピンの素材について解説します。

フェイクピンとは

ディズニーピントレーディングをする上で避けて通れないのがフェイクピンの問題です。

フェイクピンとは、ディズニーの正規のライセンスを得ずに無許可で生産された模造品を指します。また、中にはディズニーの正規品を生産する工場から品質検査で弾かれたscrapperと呼ばれるピンが、処分されずに出回っていることもあります。

フェイクピンを買うことや拡散することは著作権・商標権の侵害行為に加担することに繋がります。フェイクピンは通常のピンと比較してクオリティが著しく低いことが多く、コレクションとしても不適切です。

残念ながら、トレードをする人であればフェイクピンを手にしたことがない人のほうが珍しいのではないかというほど、フェイクピンは多数出回っています。海外だけでなく日本のピンにもフェイクはあります。ピンのコミュニティをフェイクピンから守るためには、万が一手に入れてしまった時に、そのピンが更に広がることがないよう自分のところで止められるようにすることが重要です。

ピンの素材

ピンの本体部分は、大きく分けて2つの素材からできています。メタルとエナメルです。エナメルが使われていないメタルだけのピンや、この他にラバーなどの素材が使われるピンもありますが、一般的にはこの2種類です。
メタルはピンの土台となる金属部分で、図柄の輪郭部分でもあります。エナメルは塗りの部分です。ピンは、メタルにエナメルを流し込むことで完成します。

このうち、エナメルには更に2種類あります。ソフトエナメルとハードエナメルです。ディズニーのピンの多くはハードエナメルが使われます。ところが、フェイクピンの中には、本来ハードエナメルが使われるべきところにソフトエナメルが使われているものがあります。ソフトエナメルのほうが安価だからです。

もし、本来ハードエナメルが使われるべきところにソフトエナメルが使われていたら、それは間違いなくフェイクです。

見た目での判別方法

ソフトエナメルとハードエナメルの判別は簡単です。

ピンを斜め上から見てみるとわかりやすいのですが、ハードエナメルが使われているピンの場合、図柄部分のメタルとエナメルは同じ高さです。

一方で、ソフトエナメルが使われているピンでは、輪郭のメタル部分から離れるにつれ、塗り部分であるエナメルの高さが低くなっていきます。

断面図で表すとこんな感じです。図の黒い部分がメタル、水色の部分がエナメルです。

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また、質感も異なります。ハードエナメルはマットな光沢がある材質であるのに対し、ソフトエナメルはグロッシーな光沢があるか、または光沢のないマットな質感です。

少し大げさにライティングを当ててみましたが、このようなグロッシーな質感はソフトエナメルの特徴です。

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余談ですが、ハードエナメルで光沢を出す際にはエナメルの上からエポキシコーティングが使われるため、逆に中央に向かってわずかに盛り上がり、図柄部分のメタルが露出しないことになります。

ソフトエナメル=フェイク?

では、ソフトエナメルが使われていればフェイクかというと、実はそうではありません。

前述のとおり、ハードエナメルと異なりソフトエナメルはメタルと塗り部分に高低差を生みますので、これを活かしたデザインは正規品にも存在します。

例えばこちらのピンは、全体的にハードエナメルが使用されていますが、鏡に映ったミニーちゃんの部分だけがソフトエナメルで表現されています。このように、正規品でもソフトエナメルは使用されていますので、ソフトエナメル=全てフェイクという判断は間違いです。

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またその逆で、ハードエナメルが使われていれば正規品かというとそうではなく、ハードエナメルが使われているフェイクも存在しています。
本来ハードエナメルが使われているはずの部分にソフトエナメルが使われている場合にフェイクであると判断できる、ということであり、それ以外のケースでは別の判断基準を使って判断するしかありません。

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