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【五輪男子バスケ】日本vsスペイン

五輪日本男子バスケ初戦。大健闘!であった。
恐らく、日本男子が一番世界に近づいた試合だったと言えるのではないだろうか?

結果は、77対88。11点差の接戦であった。
世界ランキング2位のスペインに対して、大健闘である。

全体の印象としては、日本はやはり八村、渡部の、NBA組が奮闘。そして、3Qから投入されたシューター金丸が連続3ptで流れを呼び込み、きっちりと仕事をしてくれたのが印象的だった。スペインは、ずばり、ガードのルビオ。日本は終始、この選手に引っ掻き回される。

2Qで一時同点にまで着けた日本であったが、リズムが崩れ始め、2Q結果を見ると14-30でスペインに大量得点を許してしまい、この点差がズルズルと響く事になる。

折り返しの3Q。シューター金丸の投入及び連続3pt成功により流れを呼び込み、28-21で日本がこのクォーター、得点でリード。この時点でのスコアは、56-69。一時、20点差まで開いてしまったスコアを13点差の追撃の射程圏内にまで持ってくる。日本の試合運びは、ファストブレイク狙いが多いが、得点を沈められると速攻のスタートが切れない場面がいくつかあり、体格差考えた狙い所としてはセオリー通りの戦術ではあるものの今一つ決め手に欠ける。

13点差で最終局面を迎えた日本。先制点がどうしてもほしいところ。冨樫が4Qの先制シュートを成功させ、反撃の狼煙を上げる。その後、渡辺がルーズボールを追ったりと、日本も必死に食らいつく。やはり渡辺のこのような泥臭いプレーというのはチームを鼓舞するものだ。本人自身も、この時間帯が最も重要なポイントであるというのが分かってのハッスルプレーだった事だろう。一時、11点差まで詰め、3:54の日本のタイムアウトまで、コート上の5人はガラスの上を歩くような緊張感と集中力の上で試合をしていたはずだ。4:32時点でルビオがコートに戻ってきており、鋭いペネトレイトにトリッキーなドリブル、確度の高い外郭シュートと的確なパスにより、またもや引っ掻き回され始める。
善戦したものの、スペインに時間を使われ始め、77-88で試合終了。

スタッツを見てみよう。
フィールドゴール、日本26/64のシュート成功率41%に対して、スペイン36/70のシュート成功率51%。手数と成功率は、スペイン。
内訳は、2ptフィールドゴール、日本15/37のシュート成功率41%。スペイン28/42のシュート成功率67%。
3ptフィールドゴール、日本11/27のシュート成功率41%。スペイン8/28のシュート成功率29%。
外郭シュートで健闘したものの、インサイドではスペインにキッチリ得点を取られる、決定力の差が出ていたと言える。

フリースローは、日本14/18のシュート成功率78%。スペイン8/11のシュート成功率73%。渡辺などはシュートファールをもらうのが上手いし、フリースローも丁寧にきっちり沈める。NBAで出番が少ない中、貴重なチャンスを自分で作り出し、しっかりと点を稼いでいかないと生き残れない渡辺らしいプレーである。

リバウンドは、日本32に対してスペイン42。やはり高さ体重共に体格差で劣る日本ではあるが、今までの世界戦ではどうしてもリバウンドがネックになってしまっていたので、この点、だいぶ奮闘したと褒め称えたい。

アシスト、ターンオーバ、ブロックショットが双方同数。スティール数で日本が2本上回っており、脚を動かしていた事が伺える数字だ。
ファールも、日本16にスペイン21と、フリースローで地道に背中を追う姿勢が素晴らしかった。
ファストブレイクポイントが、日本18にスペイン10。ここも、脚で点を稼ごうとする日本の戦術が伺える。

個人では、日本の得点源は、八村20点と渡辺19点。NBA組がスコアを牽引する。
スペインは、ルビオの20点。アシスト数9本と、チーム全体の約半分がこの人なので、攻撃の起点であったのが伺える。
出場時間は、八村36:48、渡辺35:41、馬場30:57に対して、ルビオは21:44と、日本の海外組への依存度を感じる数字であったし、スペインの余力を感じさせる。

この試合、日本のベストプレーヤーは渡辺だろう。19得点にリバウンド数が8。得点も去る事ながら、日本のアキレス腱であるリバウンドをしっかりとカバーしてくれていた。
日本の司令塔、冨樫も8得点と健闘したものの、アシスト、スティール共に0と、PGを測る数字としては残念ながら不発に終わったと言える。この試合のガード:ルビオの活躍を考えると、この試合は尚のこと、ガード陣にかかっているところが大きかった試合だった。

この試合、国際試合では体格差が出ていた日本にしては、その差を感じさせない成長を感じたものの、平面の勝負でついていけてない所が惜しい所であった。ルビオのような選手のスピードとドリブルに対応していく事が次戦から期待したいポイントだろう。

まだまだ初戦で、世界ランキング2位のスペインに本当に大健闘だったと思う。これから、まだまだ楽しみである!

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