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短編『何も気にならなくなる薬』その181

「電子レンジ」

「レイシスト」

「アドバイス」

レイシスト、差別的な考え方を主義とする人のことをいう。
そうした言葉があるくらいなのだから、差別のない場所があるのかと思えばそんなこともない。
誰しもが差別的な考え方を持っていて、
「私はそうではない、彼らは過激派だ」とする人たちの言葉のようにも思えてしまう。

心がどうであるかは一度置いておいて、体が男か女かを判断するのは差別ではなく、区別だろう。
差別と区別の違いはなにか。
精神的に誰かを劣っていると考えることが差別なのだ。
これは逆をいえば、
「自分は他の人よりもこれが出来る。これは誰にも負けない」
この考え方もある種の差別ではないだろうか。
自分は他の人よりも出来ると思いたい。そうした考え方が、他人を差別するのだろう。

「どうしてこう、男の人って掃除が雑なのかしら」
一人の主婦が愚痴をこぼす。
旦那が掃除した電子レンジを確認して、更に布巾で拭き取る。
「やったつもりだったのだけれども」
「もっとこう、洗剤とか使ったほうが汚れが落ちるから」
「でも、この間、あまり洗剤を使わないほうが良いってネットに書いてあったから」
「私よりネットを信じるの?」

美味しいご飯を食べます。