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東北流れ者/若水ヤエ子とひまわりキティーズ(視聴リンクあり)

ズーズー弁を売りにした方言タレントの第一人者と言われる若水ヤエ子さん、1971年のシングル「かあちゃんと子供のアンダンテ・カンタービレ」B面に収録された楽曲です。

多少ゆったりとしてはいますが、子供のコーラスを従えてお得意の東北弁でモテない女性の哀愁を唄う悲喜こもごもグルーヴ。ワウ・ギターをアクセントにしつつホーンの刻みは以前ご紹介した「ゆけ!ゆけ!ゴジラ」に通ずるアレンジで、なかなかのカッコよさ。

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今でいうあき竹城さんのような感じかなと思いますが、ジャケットの印象に反してこの時まだ44歳。「老人と子供のポルカ/左卜全とひまわりキティーズ」と同じ劇団ひまわりキッズがコーラスを務めることや、作詞・作曲が同じチームによるものであること、タイトルも「XXと子供のXX」となっていることから正当な連作にあたると言っていいでしょう。

皆川おさむ「黒ネコのタンゴ」のヒットを見て「子供が受けるならその逆も受けるはず」ということで左卜全デビューを仕掛けたのは松村憲男さんというディレクターさんらしいのですが、私はあまりこの方について存じ上げておらず詳しいことが分かりません。しかしあの西田佐知子「コーヒー・ルンバ」の輸入にも一役買った人物ということなので、相当敏腕であったのではないかと思います。他には西田佐知子「涙のかわくまで」の作詞でも知られる塚田茂もデビューさせているとのこと(曲は「涙になりました」でしょう。この曲は後に山川みどりさんが「恋がザンザ 涙がザンザ」としてカバーしています)。

しかしこの「XXと子供のXX」シリーズ、左卜全がリリース後1年後に亡くなっており、若水ヤエ子も同様にリリース翌年わずか45歳で急死しています。これだけコメディ色の強いシリーズでありつつ、なんだか呪われたオカルト・ホラーなエピソードを持った連作となってしまいました…。

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