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古今集巻第十 物名 435番

くたに

僧正へんぜう

ちりぬればのちはあくたになる花を思ひしらずもまどふてふかな


くたに
僧正遍昭
散ってしまえばその後はごみくずになる花なのに、それを知らずに惑うというものが蝶なのだろう

 「くたに」は蝶が来る花の咲く木ですが、何かはわかりません。「あ『くたに』なる花」とくたにを詠み込んでいます。「惑ふてふ」は「惑うという」の意味と「てふ」つまり蝶の掛詞です。
 どんな女性でも、やがては年老いて若く美しくなくなる時が来るのに、男はそれに惑わされるという恋の無意味さを詠っています。真意はこれを例えにして仏の教えの永遠さ、仏道の尊さを示す歌なのかもしれません。男も女もいつまでも恋にこだわらずに、早く仏の道に目覚めなさいと諭しているのでしょう。

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