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古今集巻第十六 哀傷歌 861番

やまひして、よわくなりにける時よめる

なりひらの朝臣

つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのうけふとはおもはざりしを

病ひして、弱くなりにける時詠める
業平の朝臣
遂ひに行く道とは予て聞きしかど昨日今日とは思はざりしを

病気になって、弱くなってしまった時に詠んだ歌
在原業平
人生の最後に行く道だとはかねてから聞いていたけれど、昨日今日と目の前に迫っているとは思っていなかったものを

「弱し」は、弱っている、衰弱している、つまり危篤だと言うことです。
「つひに(遂ひに)」は、最後に、終わりに、です。
この歌は、伊勢物語第125段に載せられていて、この歌で物語は終わりです。これを業平の辞世の歌とすれば、業平は元慶4年5月28日(880年)、56歳で亡くなったことになるそうです。

伊勢物語第125段
むかし男、わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ
つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのうけふとはおもはざりしを

#古今集 , #哀傷歌 , #在原業平 , #遂ひに行く道 , #伊勢物語

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