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古今集巻第十五 恋歌五 782、783番

題しらず

をののこまち

今はとてわが身時雨にふりぬれば言の葉さへにうつろひにけり

返し

小野さだき

人を思ふ心の木の葉にあらばこそ風のまにまにちりもみだれめ

題知らず
小野小町
今はもう離れる時だということで、我が身は、時雨が木の葉を紅葉させるように、色褪せて衰えてしまいましたし、あなたの言の葉さえも移ろって変わってしまいました

返歌
小野貞樹
あなたを思う言の葉が、もし木の葉であるならば、風にまかせて散り乱れることもあるでしょう、でもわたしの心は変わっていません

あなたを見ていると、もう終わりだとおっしゃっているようで、心変わりなさったのですね、と小町がとがめると、
わたしの言の葉は、木の葉のように散り乱れて枯れるようなものではない、あなたへの想いは変わりません、と貞樹が応えています。

小野貞樹は、宮中のお役人や肥後守をした人ですが、親子関係はよくわからず、長屋王の玄孫の石見王の子などとも言われているようですが、はっきりしません。小野姓なので小町とは同族な可能性もありますが、小野氏でたどっても貞樹は出てきません。

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