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古今集巻第十五 恋歌五 764番

題しらず

よみ人しらず

山の井の浅き心もおもはぬに影ばかりのみ人の見ゆらむ

題知らず
詠み人知らず
山の泉の浅い水辺のような浅い気持ちであなたを思う訳ではないのに、あなたには逢えず、泉に映る姿だけが見えるような残念さです

浅い気持ちではないのに、なぜお逢いできないのでしょうかという歌です。
「影」は、姿、形の意味ですが、現代の「光が当たらない場所」と考えても意味が通ります。本人そのものに逢えない、ということ。
この歌は、万葉集や古今集の仮名序に出てくる有名な浅香山の歌「安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに」を踏まえた歌です。

#古今集 , #恋歌五 , #山の井 , #浅き心 , #影

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