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古今集 巻四 秋歌上 206番
はつかりをよめる
在原元方
まつ人にあらぬものから初雁のけさなくこゑのめづらしきかな
初雁を詠んだ歌
在原元方
待っている人ではなかったので少しがっかりしたものの、初雁が今朝鳴いた声は新鮮ですばらしかった
待っている人が来なかったということは、女性の立場で詠んだ歌です。夜に男は来なかったけど、朝に初雁はやって来たという対比になっています。雁は晩秋に渡り鳥として北からやってきますから、初雁は冬が近くなったことを知らせるものです。寒くなったから雁が来たので、その類推で関係が冷えたので男が来なかったのかもしれませんが、めづらしきかなと喜んでもいるので寒い中を無理して来てもらわなくて良かったという気づかいのようにも思います。
「めづらし」は、現代と同じで見慣れない、今までにないという意味のほかに、すばらしい、新鮮だという意味があります。ここでは後者です。
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