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古今集 巻第五 秋歌下 266番

是貞のみこの家の歌合の歌

よみ人しらず

秋霧はけさはな立ちそ佐保山のははそのもみぢよそにてもみむ

是貞親王の家の歌合の歌
よみ人しらず
秋霧は今朝は立たないでくれ、佐保山のははその美しい紅葉を離れた他のところからも見たいのだから

 佐保山は奈良市街の北の丘陵地です。
 「ははそ」は「柞」。主に落葉樹のコナラのことで、クヌギやミズナラとかも指していることもあるそうです。秋に紅葉して、どんぐりが実って、冬に葉が落ちる樹木と思えば良さそうです。
 「秋霧は今朝はな立ちそ」の「な立ちそ」は、立たないでくれ、という穏やかな禁止の意味です。

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