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古今集 巻四 秋歌上 196番

人のもとにまかれりける夜、きりぎりすのなきけるをききてよめる

藤原忠房

蟋蟀いたくななきそ秋の夜の長き思ひは我ぞまされる

目上の方のところに参上した夜に、こおろぎが鳴いていたのを聞いて詠んだ歌
藤原忠房
こおろぎよ、そんなに激しく鳴くな、秋の夜がもの悲しくて長く寂しい気持ちはわたしの方が強いから

 蟋蟀(きりぎりす)は、今でいう「こほろぎ」だそうです。ただ、どの種類のこおろぎなのかはわかりません。今の京都はエンマコオロギが多いですが、もう少し寒かったと言われる平安時代は別の種類かもしれません。鈴虫や鉦叩きなどもこおろぎとしている可能性もありますが、枕草子では、鈴虫、松虫、蟋蟀(きりぎりす→こほろぎ)、はたおり(→きりぎりす)と書いていますから、どこまでが「こほろぎ」なのか、それもよくわかりません。

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