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古今集巻第十六 哀傷歌 832番

ほりかはのおほきおほいまうち君、身まかりにける時に、深草の山にをさめてけるのちによみける

かむつけのみねを

ふかくさの野べの桜し心あらばことしばかりはすみぞめにさけ

堀川太政大臣、お亡くなりになった時に、深草の山に葬った後で詠んだ歌
上野岑雄
深草の野辺の桜よ、心があるなら今年だけは墨染の色に咲け

墨染は、墨で染めたような灰色や黒色、つまりお坊さんの服や、葬儀の時の服をのことです。桜も華やかに咲かずに墨染に咲いてくれれば、供養になるだろうと言う歌です。
堀川太政大臣(ほりかはの、おほき、おほい、まうちぎみ)は、藤原基経のことです。叔父の藤原良房の養子になってあとを継ぎ、関白になりました。堀河院という邸宅を住まいにしたので、堀川の大臣と呼ばれています。御池通堀川東入ル北側(二条城の南東)の堀川高校のところに堀河院跡の石碑があります。堀河と堀川が混ざっていますが、邸宅は堀河、呼び名は堀川、現在の通りの名前は堀川です。

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