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古今集 巻一 春歌上 36番

梅の花ををりてよめる

東三条の左のおほいまうちぎみ

鶯の笠にぬふといふ梅の花折りてかざさむ老かくるやと


梅の花の枝を折って詠んだ歌
東三条左大臣
鶯が笠に縫うという梅の花を折って髪に挿そう、それでわたしの老も隠れるかと思う

 鶯が枝を飛び渡るので、その様子を「笠に縫う」、花で笠を編んでいると例えています。髪に梅の花を挿して老いを隠そうと言っていますが、余裕というか自信を感じます。

 「かざす」は、髪に挿すこと。連用形「かざし」は名詞化して「髪に挿すもの」となったり、もとの「かみさし」の「ん音便」(?)が「かんざし」となったりしています。

 東三条左大臣は、東三条(ひがしのさんじょう、とうさんじょう)の左のおほい(おおい、大)まうちぎみ(もうちぎみ、臣)。源常(みなもとときは)のこと。平安時代前期の人。

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