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古今集巻第十 物名 455番

なし なつめ くるみ

兵衛

あぢきなし嘆きなつめそ憂きことにあひくる身をばすてぬものなら


梨 棗 胡桃
兵衛
無駄なことだ、嘆き詰めるのはやめよう、悲しいことにあう我が身とはいえ捨てられないものだから

兵衛(ひょうえ)は藤原高経の娘です。「あぢき『なし』嘆き『なつめ』そ憂きことにあひ『くる身』」と詠み込んでいます。いくら悲しいことがあっても自分自身を見捨てることは無理なのだから嘆いていても仕方がないと、自分を少し冷静にみて、今は底辺の感情だから、あとは上にしか向くことができないはずだということなのでしょう。

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