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松本人志事件についてのRaMuさんのコメントについて

バズってしまいました

まず何が起きたのかという概要から。
私(小ライス)が読売テレビ『そこまで言って委員会NP』の過去の録画(1月17日放送分)を観ていたところ、例の松本人志の騒動が取り上げられていました。そしてパネリストの一人であるRaMuさんの発言を俎上に載せて、X(旧Twitter)にて以下のようなポストを投稿しました。

実際は、ここにさらに自己リプの形で2つの投稿を重ねているのですが、どうやらインフルエンサーに引用されたことが引き金になったようで、2000万以上のインプレッションと1.7万のいいねが付くバズり方をすることになりました。

その2日後、RaMuさんは自信の発言についてXにて謝罪、それがスポーツ新聞のWEB版に掲載されました。

私が重視するのは「言論の姿勢」

私の「小ライス」というアカウントの発信姿勢についてですが、このアカウントは(アホなポストもたくさんしておりますが)主として政治や社会問題について言及するものでして、ブログではさらに女性、子供、身体障害、メンタルヘルスなどの社会的弱者あるいはマイノリティーに重点を置いた内容を投稿しております。

私が重視しているのは「言論」という行為についての認識です。取り上げる事案について、いかに論点を絞り、客観的で、論理的にアプローチできるかというポイントにくさびを打ち込んで臨んでいます。

そういう姿勢から見れば、テレビや巷間で交わされる「議論」がいかに的外れであるか、そしていかに個々の正義が暴走しているかがよく見えてきます。

今般の松本人志性加害疑惑は最たるものでしょう。

松本人志事件はお祭り状態

報道があってからというもの、テレビでは毎日この件について様々なタレント達がしたり顔で【社会問題風】に語っていますが、やってることは、未確認の事件について「この性加害が本当にあったとしたら」という枕詞を置いた後に各々が勝手なストーリーを創って加害者と被害者を分け、上っ面の倫理を語っているに過ぎません。

視聴者からすれば「仮定の話」という条件などあってないようなもので、見れば見るほど「松本人志は酷い男」というバイアスが植え付けられることになります。もっとも、週刊文春自身が早々に「性加害があったかどうか」から、「松本人志の下品な飲み会」の方に話題をシフトしているのですから仕方ありませんが。

これを二流三流のタレントのみがやってるだけならまだしも、ビートたけしや上沼恵美子などの大御所タレント達までが性加害とは別の文脈に派生させて「女に対してケチ」だの「遊び方は三流以下」だの好き放題言い始める始末です。

この辺の詳細についてはいくら書いても書き足りませんが、それをやっていると本題に辿り着かないのでこの辺にして……。


『そこまで言って委員会NP』でのRaMuさんの発言

松本人志事件にまつわる言論空間が歪んでいく1月半ばに放送されたのが件の番組『そこまで言って委員会NP』です。放送日が14日で、HDDからその録画を観てポストしたのが2月1日。2週間以上のタイムラグがあるにも関わらず、そのポストが1.7万いいね付いたというのはかなり異例の事態だったかもしれませんね。

さて、RaMuさんの発言内容と私のポストについては冒頭のリンクを開いて確認してください。ここでは、「これはつまりどういうことだったのか」という抽象化と詳細な説明をします。

まずRaMuさんから発せられた「不倫」というキーワードについてですが、そもそも松本人志と「被害者女性」の間に性交渉があったのかどうかすら現時点では確定していません。まあ、現実的には、今回の件に限らず誰かとイタしているのは間違いないでしょうが、それは関係ありません。

「被害者女性」とされる女性の証言に疑念を持つと「セカンドレイプだ!」と公共の電波で堂々と主張するタレントさんはたくさんいますが、あったかどうかが分からないことを「あった」という勝手な前提で話すことは、松本人志への【ファーストレイプ】である可能性については考えないのでしょうか?もっとも、これはRaMuさんに限ったことではありませんが。

そしてここからRaMuさんの独自の主張です。

「奥さんとお子さんが一番の被害者。性加害があったかどうかより不倫の方にフォーカスを当てた方が良い」

これを聞いた多くの人の頭の上に「?」が浮かんだと思います。一応断っておきますが、私は松本擁護派でも何でもありません。ただ言論という行為に厳格な一般人発信者です。問題視しているのは、「まだ分からないことが多過ぎるのに勝手な想像で断罪するのは良くない」ということであって、「松本人志は無実だ」などと言ってはいません。性交渉自体なかったかもしれないし、あったとしても同意の上でだったかもしれないし、ひょっとしたら想像を絶するようなやり方で強姦していた可能性もあるのですよ。

その真実の可能性には大きな幅があるはずなのに、それでなお「一番の被害者は奥さんとお子さん」だと言うのですから閉口してしまいます。

実際に性被害に遭ったことのある女性は彼女のこの発言から何を思うでしょうか。


他人の不倫を断罪する愚かしさ

まず一般論としての「不倫」について。
さすがに最近では、「浮気はあくまでプライベートな話であって、第三者がアレコレ言う問題ではない」という考え方も浸透してきましたが、それもあくまで【以前と比べると】【ツイッターでは】という条件におけることであって、いまだよその夫婦で不倫が生じると「それはアカン!」と断罪する勢力は相当な割合で存在するようです。

改めて説明する必要があるかどうか分かりませんが、そもそも男女交際は誰かに強制されるものではなく、その当事者同士が相手の人間性を評価し、交際するに値すると思うからするのであって、他者が介入すべき問題ではありません。もちろん他人どうしですから、将来何があるか分かりませんし、心変わりするかもしれません。だから結婚する際はわざわざ神様の前で誓いを立てるわけです。

結婚した結果、どちらかが浮気をしてされた方が傷ついたとしても、それは【本人の判断の結果】であって、やはり他人がとやかく口を出すことではありません。浮気を許すか許さないかは赤の他人ではなく、【浮気をされた人】です。そこに他者の共感が生じたとしても、それもまた個人の内心の話であって、公の場で口に出すことではありません。競馬で10万円擦った人を「可哀想」と共感するようなもので、断罪すべき問題ではないのですよ。

「どの程度許せないか」という度合いの問題だって人それぞれでしょう。「一度でもやればアウト」って人もいれば、「2度までは許すが、3度目はない」という人もいるでしょう。

そして、世の中にいる夫婦の中には、松本人志夫妻のように、妻側が「不倫OK」としているケースだってあるのです(正確に言えば、この場合「不倫」ではなく「第三者との性交渉の容認」ですが)。


弱者に寄り添う体で呪いをかける

それをなぜか我がことのように騒ぎ立て、やれ「杏ちゃんが可哀想」だ、やれ「佐々木希は可哀想」だ、とやる。

これって実は杏さんや佐々木希さんを侮辱しているということなんです。自分が選んだダンナをクズのように言われ、自分自身は判断力がないように言われる。当人たちはそれでも後悔などしていないかもしれないし、不幸とも思ってないかもしれません。

私事で恐縮ながら。私も親の離婚はもちろん、それ以上に複雑な環境で育ってるんですが、それを説明すると「まあ、気の毒に」みたいなことを言う人がいるわけですよ。相手は悪気なく【一方的な共感】をしているわけですが、こっちから言わせりゃ「いや、複雑なだけで幸せやったかもしれんやろ」あるいは「気の毒になんて言葉で片付けられるほど生易しい不幸ではない」かもしれないのですよ。

何にせよ、私が幸福なのか不幸なのかは私が評価することであって、他人がそれを決めようとするのは「傲慢」の一言です。

佐々木希さんに至ってはアンジャッシュ渡部の「多目的トイレ」事件以後も第2子を設けています。ゲスな野次馬さん達はこれをどう説明するのでしょうか。

私がなぜRaMuさんのコメントに「信じがたい馬鹿」という刺激的なフレーズを使ったか。それは彼女の言葉が、「松本の妻と子は可哀想なので、みんなで憐れみましょう」という呼びかけであり、当人にとっては「お前たちは不幸だ、不幸でなければならない、お前のダンナ・父は不倫をするようなクズなのだから」という呪いの暗示であり、平たく言えば、それこそ何の罪もない人に対する言論暴力だからです。

これがRaMuさんの謝罪ポストなんですが、件の発言について「タイミング」と「その時得ていた情報」をエクスキューズとしています。しかしながら、先述したように、私の指摘は発言のタイミングは全く関係ありません。当事者とは無関係の第三者が断罪するという点において、スジを違えているのです。


改めてプロセスを抽象化してみる


……と書いても「は?」となりますね。つまりは、どの段階で誰が何をやったのかを一言で表現してみようということです。

まず、『そこまで言って委員会NP』でのRaMuさんの発言は「提言」となります。この番組の基本的な趣旨は、概ね現在話題となっている社会問題を俎上に載せてパネリストにその解決法を問うというものです。当然ながらパネリストの回答はその人なりの「解決法」であり「提言」となります。

私のポスト(旧ツイートめんどくさ)に対してはRaMuさんを擁護するコメントも(少数派ながら)ありましたが、その内容は「彼女はおかしなことを言ってない」「不倫がダメというのはまともな感覚だ」といったものです。ここにリテラシーのレベルが表れているのです。私の発言主旨は、「妻子にフォーカスを当てろというのはおかしい」というものであって、「不倫が不快という感覚を批判」しているわけではありません。同じ事案から個々の感情・感覚がどう動くかはその人次第であり、自由です。彼女が「感想を述べた」のなら第三者はそこに文句をつける筋合いはありません。その感想に対して「なるほどなぁ」とか「バカだなぁ」といった感想を持つのもまた自由です。

しかし彼女がやったことは「感想の披露」ではなく「提言」なのですよ。「フォーカスを当てた方がいい」としっかり言っているのです。その提言が的外れだと思ったので「よくない」と批判をぶつけたわけですよ。

「解決法というのは分かりませんが、奥さんやお子さんの感情を想像して心が痛くなりました」なら問題ないんですよ。ただし、そういう回答を続けていたら番組趣旨とはかけ離れていくので、あくまで例外的な手法となりますが。


サンクション祭りに群がる愚か者

「信じがたい馬鹿」という表現は刺激的ですが、その理由はポストに書いています。すなわち、私から言わせれば、RaMuさんは使っている言葉はお行儀が良くても、その発言内容は(たとえ本人にそういう意図がなくても)「弱者への加害を促す行為」であり下劣なものです。これは「批判」です。

一方で、私のポストに賛同するという体で、それこそRaMuさんに対しただの誹謗中傷をするコメントが嫌と言うほど寄せられました。私が「私が批判しているのはあくまで彼女の発言内容に対してのもの。皆さん言葉は選んでください」と注意を促してもそちらのポストなんて誰も読んでくれません。今、松本人志同様、「今こいつなら好きなだけ叩いていい」という小さな祭りが開催されたわけです。こういう行為を心理学では「サンクション」と言い、誰かを叩いて快感を得ることを「シャーデンフロイデ」と言います。


「提言」「感想」「批判」「異論」「誹謗中傷」
これらを区別しましょう。


「恫喝」問題

私のツイートから2日後、RaMuさんはXで謝罪ポストを投稿しました。バズり始めて間もなく、まあそうなるだろうなとは思っていましたが、だからと言ってこれで何らかの達成感を覚えたということもありません。その謝罪文からは問題の本質を理解していないことが分かります。私の興味は「言論の在り方」であって、そもそも誰か個人に興味を持ったりすることもなく、叩いて謝罪に追い込んで快哉を叫ぶような悪趣味なことにも興味がありません。

さて、問題は謝罪文ポストと同じ日に彼女が衝撃のポストを。

小ライスおめえは許さねえよ

別々から違うスクショをもらったのでおそらく間違いないでしょう。

これを読んで私が怒るというようなことはありません。むしろ、テレビに出ている有名人に名前を書いてもらってミーハーメンタルのテンションが上がってるくらいです。(※個人にあまり興味はないけど、ミーハーではある)

ただし、あくまで言論の在り方にこだわる立場から言わせてもらうなら、これは絶対やってはいけないことです。なぜなら、これは「恫喝」だから。

さらに悪質なのは、これを投稿して間もなく、何の断りもなくツイ消ししているという点。彼女の過去のポストを見ると「私は呼吸をするようにツイ消しする」とのことですが、こういうポストを黙って消しちゃいかんのですよ。消すくらいなら最初から書かない方が良いし、どうしても消すなら断りを入れた上でやらないといけません。

幸いにも(?)このポストは特に注目されることはなかったようで、お祭りの二次会は開かれませんでした。私も一応反応はしましたが、この報告を受けてから2日寝かした上で、バズったツイートにはリンクさせず、マイルドな表現で指摘したのみです。今書いているこのノートだって、オキシトシン中毒のバカが群がるのを防ぐべく、あくまで「私の関心事」としてまとめるのが目的なので、わざわざ皆が忘れた頃に投稿しています。

もし私が感情的な人間だったとして、すぐさま反応してさらに激烈な表現で煽ったら?X運営に通報した上でRaMuさんの事務所に問い合わせなんかをしたら?

そういう言論の基本ルールを理解せず、リテラシーが欠如している人は、『そこまで言って委員会NP』のような番組に出るべきではないのです。

コメントの中には「所詮アイドル席」「若い女の子なんてこんなもん」と言った意見もありましたが、そんなことは分かっています。私も内心はそう思っていますが、そんな内側を斟酌をして「しゃーないよねw」で見過ごすのは差別になります。あのパネリストの席に座った以上、本業がなんであれ、少なくともその時だけはいやしくも言論人なのですよ。

もちろん、こんなポストをしていたからといって私が身の危険を感じるというわけではありません。実際問題としてはどーだっていい話です。

あくまで、私がこだわるのは「言論の在り方」なのですよ。

別にこちらからは求めてもないし、騒ぐつもりもありませんが、RaMuさんご本人あるいは事務所の社員さん、ご連絡頂けるならいつでもどうぞ。

皆さん、長文のご精読ご苦労様でした。

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