マガジンのカバー画像

チノアソビ大全

Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュースも交えながら林田(専門:総務省地域力創…
¥550 / 月
運営しているクリエイター

#映画

マインドセット 篇

 孔子はこう言った、ということを弟子たちは論語にまとめた。 「子曰く(し、いわく)、、、」 の後に続くのは、すべて孔子の言葉である。「曰く(いわく)」は、動詞「言う」が体言化してできたものである。  だが、儒学がノモス(規範)化し、形骸化していく中で「いわくつき」という言葉が生まれた。「曰く」がなければ分からないこと、つまり、「実は、、、」と内情を打ち明けられない限り、外から見ていても実態が把握できない時に使用される。 「なんで、そんな大事なことを仰っていただけなかっ

興行収入2023:映画篇

1月もあと1週間ない…行く、逃げる、去るとはよく言ったものですが、後藤はここに「しぬ:4月」を入れて冗談半分で笑うことの多い年度末です。 ということで。今週は、2023年に日本で公開された映画興行収入のTOP20が発表された、というお話です。 映画も展覧会も野球もサッカーも、興行と名の付くものはすべてビジネスなので、内容の良し悪しと数字が必ずしも連動しないものなのですが、とはいえこれも一側面。ということで、誰にも頼まれていませんが、勝手にTOP20を眺めて妄想してみたいと

首ではじまり首で動き、首で終わる『首』:11/23公開『首』レビュー篇

これまで、「邦画はテレビで十分である」説に地味に加担していた。 ドラマの延長線で映画化、というパターンが続いた平成を生きたせいだろう。 先月、11/23公開の北野武最新作『首』をひと足先に業務試写で観てきたが、上記概念を覆される内容だった。 ということで、今週は、この『首』についてレビューをしてみたい。 ネタバレが嫌な方は、視聴後にご一読いただけたらと思う。