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各国の博物館で感じた"戦争”

どもども。青木です。

終戦記念日は一昨日というタイミングの外し方でしたが、
学生時代に"第二次世界大戦ってなんで起きたんだろう”と疑問を感じてヨーロッパ旅行に行ったことがありました。

そもそも海外で"防衛”を感じたのはポンタさんのスタディツアーでベトナムに行ったときのことです。ポンタさんがベトナムの道端でたむろしているお兄ちゃんに「何してるの?」と訊いたら「座っている。」と。いや、しってんねんともう一度訊くと「戦争の準備をしている」と。彼らがいうには歴史が書物に残される前から中国やカンボジアと戦争をしているから、戦争は僕たちにとって身近なことだ、と。ベトナム戦争証跡博物館に行った際に僕が受け取ったメッセージは「先人は強大なアメリカと戦った。アメリカは非道にもこんなふうに攻めてきた。それをついに先人たちはこうして戦い、ついに勝利を勝ち取ったのだ!」という印象でした。もちろん一人一人受け取る印象は違うでしょう。

では元に戻って、ヨーロッパです。


フランス軍事博物館、軍縮が生んだナチスへの降伏

フランスの軍事博物館では昔々からの大陸の戦いを当時の軍服と共に展示していました。印象的だったのは第二次世界大戦でドイツ軍の電撃的な侵攻を許し、フランス侵攻開始からなんと6週間弱でパリを占領されたのです。

その原因は『フランス敗れたり』に詳しいのですが、わかりやすく3つ。
1. 国際連盟への過剰な期待
  国際連盟があれば地上から戦争はなくなると信じていた
2. 平和至上主義
  第一次世界大戦への厭戦から「もう二度とあんな戦争が起こるはずがない」という観測。いかなる戦争も軍隊も"悪”だという考え。
3. 専守防衛の勘違い
  敵が攻めてくるまで待って、それを迎え撃てばいいという発想。
による軍備の不足でした。フランス軍は第一次世界大戦から変わらない旧式の装備、戦法だったためにドイツの新式装備、戦法に遅れをとったということです。現在フランスは世界で5位の軍事力を持っているとのことですが、そういった苦い歴史的経緯があります。

まだ見ぬ子孫のために戦ったユダヤ人、日系アメリカ人

ベルリンのユダヤ人博物館にはユダヤ人の歴史が展示されています。ホロコーストがよく取り上げられますが、ユダヤ人の歴史について旧約聖書から紐解いています。その中でピックアップしたいのが第一次世界大戦。この大戦をドイツに住んでいたユダヤ人は"愛国心を示す絶好の機会”と10万人が志願したといいます。自分たちがドイツのために命をかけて戦うことがドイツにおけるユダヤ人の地位を向上させると信じたのです。
しかしユダヤ人はその20年後始まる第二次世界大戦前夜、ナチスによって煽られた人々により第一次世界大戦でドイツを守るために戦ったユダヤ人の墓を破壊するのです。アウシュビッツにも行きましたが、何をどうすれば人があのようなことができるのか。人間を合理で捉えきることはできないと思い始めたきっかけでした。


また、場所はアメリカにいきますが、全米日系人博物館でも太平洋戦争が始まり、日系人の収容が行われます。そんな中、日系人の志願部隊が編成されます(第442連隊戦闘団)。この部隊も差別されているアメリカの仲間を守ろうと欧州戦線で獅子奮迅の活躍を見せます。残念ながら彼らの勇戦をもってしても日系人への差別が無くなるために、アメリカ国内の人権意識、公民権意識の向上を待たねばなりませんでした。しかし、のべ死傷率314%、アメリカ合衆国史上もっとも多くの勲章を受けた部隊として知られた第442連隊は、2010年にアメリカ最上位の勲章を授与され、現在ではアメリカ陸軍の必修授業があるそうです。

強国に翻弄されたポーランド・フィンランド

第二次世界大戦の始まりはドイツのポーランド侵攻に始まります。
ドイツに占領されているうちにポーランドでは600万人(当時の人口の20%)が殺害されたといわれています。また、ドイツからポーランドを開放したソビエト軍によっても180万人のポーランド人が殺害されるか国外追放を受けました(このあたりもめちゃくちゃ複雑です)。終戦時の首都、ワルシャワの人口は1000人だったそうです。
また、国土は東側をソビエトに切り取られ、西側をドイツからもらったので戦前戦後で西にスライドしています。

また、フィンランドはソ連の驚異にさらされていました。その中で手を差し伸べたのがナチス・ドイツ。ナチス・ドイツと共にソ連と戦います。大奮戦によりソ連の侵攻を食い止めますが、歴然とした戦力差。戦闘が長期化すればフィンランドが負けることは必至でした。そこでソ連と講和するわけですが、ソ連との講和条件にナチス・ドイツの追い出しをつけてきたので今度はナチスとも戦うことに。しかも戦後は枢軸国側として敗戦国とされています。

ちなみに日本では、靖国神社内にある遊就館
こちらは自身で行っていただき、メッセージを感じ取ってもらえればと思います。

とまぁ色んな国の歴史を学ぶと戦争がもたらしたもの、これからの私達が考えなければならないことがおぼろげながら見えてきます。

戦争の裏側で様々な人の想いが渦巻いていました。
戦争をしなくても済む平和な世界を実現していくために、先人に学ぶことが必要なのではないでしょうか。

本日のトップ画像はBanksyの風船と少女。風船は希望を表し、戦争の渦中にいる少女を連れ出してくれるとのことです。

Photo by Eric Ward on Unsplash

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