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安倍晴明について

この辺で、少し陰陽師安倍晴明について
フィクションを交えて語ってみたいと
思います。

史実に基づく考察ではありませんので…
読み物としてお楽しみ下さい。

京都市内には晴明神社というものが
あります。ここには至る所に五芒星
(星のマーク)が見られます。
http://www.seimeijinja.jp/history/

これは“ドーマン・セーマン” または
“セーマン・ドーマン”と言い、晴明が
好んで呪符に使った印です。
晴明桔梗(紋)とも言います。

名前の由来は、安倍晴明と、ライバルで
ある芦屋道満の名前をもじったものだ
と言われています。

主に魔除けに用います。

ドーマン・セーマンは、
伊勢志摩では、海女さんたちが、
「トモカズキ」(共潜き)という
海の妖怪から身を守るために、
頭に巻く手ぬぐいに刺繍をして
使っていたそうです。

また、晴明はドーマン・セーマンの
呪符の他に、人形(ひとがた)を
用いています。これは陰陽師が
よく使う一般的なものです。

人形とは紙を文字通り人の形に切って、
息を吹きかけ、生きている人間に
見せかける幻術の一つで、身代わり
として使います。身代わりとして
使う所から形代(かたしろ)とも
言います。

穢れをこれに移して、焼いたり、
水に流したりするのが本当の使い方
ですが、フィクションでの晴明は、
式として使っています。
また、昆虫なども式にしています。

式とは式神(陰陽師が用いる使役神)
のことですが、神と言っても霊格の
高くない、どちらかというと鬼に近い
ものを指します。

「つくも神」などと同様の存在です。

一種の精霊みたいなものでしょう。

晴明はこれらの式神を一條戻橋の
下に隠していました。
奥さんが式神を怖がるからです。

式神は、通常、人の目には見えません。
晴明の奥さんも只者ではなかったので
しょうか?

普段は式神がこの橋を渡る人の占い、
つまり、橋占(はしうら)をしていた
と伝えられています。

愛嬌がありますね。

式神を使役することを「式を打つ」
といいますが、式神は人ならざる者
ですから、術者に力が無いと言うこと
を聞いてくれません。

また、陰陽師がよくやるものに雨乞いが
あります。龍神に祈ることで、日照り
の時に雨を降らせるものです。

晴明も実際に雨乞いの儀式をやった
ようで、これを成功させ、天皇の信任が
厚くなったといいます。

安倍晴明と言えば、呪(しゅ)の
スペシャリストですが、フィクションの
晴明が言うには、

呪とは「ものの根本的なありようを
決めることば」であり、また
「呪とは名であり、目に見えぬものさえ
名という呪で縛ることができる」

ということになります。

これは一理あります。名前を知られる
ということは自分がどういう存在であるか
を相手に把握される、ということであり、
相手はそれによってこちらを縛る、
或いは呪いをかけることができる、
ということを意味します。

通称だけで絶対に本名を言わない人が
一部にいるのはそういう訳です。
(別に犯罪者と言うわけではないようです)

さて次は晴明最大の奥義(笑)!
「泰山府君祭」です。
次の記事に記したいと思います。

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