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1月19日は推理小説の始祖が生まれた日
本日1月19日は、推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーが生まれた日でございます。ポーは1809年1月19日生まれなので、生誕215年ですか。島津斉彬公が同じ年に生まれ、緒方洪庵先生が翌年の生まれですから、そういう歴史上の偉人とほぼ同じ頃に生まれています。『桜田門外の変』の井伊直弼よりも6歳上と考えると、あの時代に推理小説の原型を生み出したのは、驚異的なことでございます。
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日本では文化六年の前年にはフェートン号事件が起き、幕末の動乱への色が濃くなった時期。でも11大将軍徳川家斉の治世(ただし将軍職は隠居しています。大御所として実権を握っていました)で、文化(1804~18年)文政(1818~31年)時代は後に、化政時代と呼ばれます。
私達が、時代劇で江戸時代的と思うものは、この化政時代にだいたい完成しています。ある意味で、落語や時代小説で描かれる、日本的なものが完成した時代です。曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』が文化11年(1814年)に刊行が開始され、28年をかけて天保13年(1842年)に完結しておりますから。
作家としてのポーの活躍期間は1832年から49年ですから、日本の天保(1831~45年)から弘化(1845~48年)の時期とほぼ重なっています。天保の大飢饉や大塩平八郎の乱、蛮社の獄、アヘン戦争などの教科書でおなじみの事件が起きましたが、同時に葛飾北斎の『富嶽三十六景』が刊行されたのも、1831~34年と天保年間のことでございます。
ポーの冒険小説『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語 (The Narrative of Arthur Gordon Pym of Nantucket)』が1837年に発表され、世界初の名探偵と密室殺人が描かれた『モルグ街の殺人(The Murders in the Rue Morgue)』の発表は1841年ですから、八犬伝と近いんですね。
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