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最初の15000枚の絵は誰でも下手?

X(旧Twitter)に、こんなポストが流れてきました。伝説のアニメーターが「だれでも人生で描くイラストの最初の一万五千枚は下手だから、絵が上手くなりたいならそれを描き切っちゃえば良いんだよ。」とのこと。

ディズニースタジオに30年以上勤める伝説のアニメーターが「だれでも人生で描くイラストの最初の一万五千枚は下手だから、絵が上手くなりたいならそれを描き切っちゃえば良いんだよ。」って笑顔でおっしゃってたのを思い出すたびに、プロとは何かを思い知らされます。

https://x.com/Azumoff_lchabod/status/1803370848780427547


①漫画家の場合

トキワ荘プロジェクトの調査で、プロになる人の3分の1ほどは、100枚以内の投稿枚数なのですが、20%弱ほどは500枚以上かかっています。それ以外は目立った偏りはないのですが。詳しくはこちらのサイトを読んでいただきとして。

500枚以上の投稿作を費やした方は、1ページ平均5~6コマを描くとして、500枚で2500コマから3000コマを描く必要があります。その場合、ネーム・下書き・ペン入れと、3回同じ絵を描きますから、7500~9000コマ分になります。アニメーションと漫画を単純比較は出来ませんが、一応の目安になります。

②15000枚と500枚

原稿以外にも、日々の練習や積み重ねありますから、そう考えると上手くなるための15000枚というのは、妥当な数字に思えますね。それを何年でやるか、の問題はありますが。

鳥山明先生は、デビュー後の1年間、ボツを喰らい続けて、500枚の原稿を描いたとか。あれほどの天才が、1年で500枚。実際、ご自宅に伺った人の証言で、本当に大量の原稿や下書きが、うず高く積み上げられていたとか。

もっとも、鳥山先生は最初から絵は上手かったので、そこでは物語の作り方=作話を学んだ部分が大きかったとは思いますが。それにしても、プロの努力の目安にはなりますね。

③月産300枚で4年

こちらは、アニメの脚本や演出を手掛ける方のご意見。
これも、参考になりますね。

15000枚?!って思っちゃうけど、
動画月産300枚で50ヵ月、4年で達する
書き損じ、下書き含めたら、1~2年で達する
制作上がりの演出でも、ガリガリ絵を描く人なら、同じくらいかと
最初から上手い絵を描こうと思わないのが大事なのかもですの
描いてりゃそのうち上手くなるわ、くらいの心持ちで

https://x.com/Kenta18283446/status/1804083366708547756

アニメーターは月産300枚ですか。
月に25日出勤と考えると、1日12枚ほどでしょうか。これもイラストとは違いますが、やはり数をこなすのは大事ですね。

鈴木みそ先生の『銭』には、「アニメ界も昔は動画3万枚で一人前と言われていた」との言葉があります。15000枚どころか、30000枚と、さらに倍になっていますが。

技術の習得と考えると、絶対的な数をこなす人用がある人、あるいはそれに耐えられる人が、上手くなるのでしょうね。量がある瞬間、質に転換する。
それは、100枚の人もいれば1000枚の人も10000の人もいるということでしょうけれど。


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