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才能なんて誰にも分らない

備忘録も兼ねて、田中ユタカ先生と芦辺拓先生の、X(旧Twitter)でのやり取りを転載しておきます。

「女の子が下手ですね。これは致命的です」
持ち込み先の大手出版社の編集者に僕ははっきりとそう言われました。

これは、その編集者に見る目がなかったという話ではないです。

やってみなければ、才能なんて誰にも分らないのです。

https://x.com/tanakayutak_c/status/1776858639518613953?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

まるでフレッド・アステアが初めてカメラテストを受けたときの評価が"Can't sing. Can't act. Balding. Can dance a little."(歌ダメ、演技ダメ、頭髪薄し、踊り少々)だったみたいですね! わからないものです。

https://x.com/ashibetaku/status/1776897893242454202?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

やってみないとわからない。自分の方向性を自分が知っているとは限らないのだと思います。

https://x.com/tanakayutak_c/status/1776952650250223663?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

それは自分にも言えることですね……。でも、田中先生の女性の愛らしさを描く名手ぶりを見れば、その編集氏は少しぐらい不明を恥じるべきだと思います。

https://x.com/ashibetaku/status/1776953402863616017?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

お褒めの言葉うれしいです。自分としては後進のために「才能を見抜くプロであっても未来はわからないもの」の実例の一つになれたらいいなと思います(^^)

https://x.com/tanakayutak_c/status/1777016034391892384?s=61&t=tcAJZFtthV9PcLEiLOD2MQ

作家の適性は、本人にも判りませんからね。食わず嫌いで避けていたら、実は適性があった、なんてよくある話です。

あと、苦手は克服すると得意技になる、という部分があります。

見切りどきが難しいのですが、どうやって克服するかを、原因から探って、対応策が判ると、天才のコントロールできないたまの必殺技より、コンスタントに結果を出しますね。筆者の『浮世艶草子』も、ピンチヒッターで始めた作品でしたので。

しかし、フレッド・アステアがそんな評価を受けていたとは。かの名優をしても、才能を見抜くのは難しいのでしょう。
そういえば、高倉健さんは役者志望ではなく、新芸プロのマネージャーになるため面接を受けたとか。それが、役者として採用され、はじめてドーランを塗った自分の顔に、情けなくて涙が出たとか。

三船敏郎さんは、軍隊時代に写真の経験があったために撮影隊に回され、戦後はその時の上官の伝手を頼って、撮影所の撮影関係で裏方の試験を受けに来たのに、黒澤明監督がサングラスをかけてる馬鹿がいると勘違いするほどの眼光で、役者に採用。

こちらの本を読むと、世界的な大ヒット作品も、けんもほろろな扱いを受けていたのが、よく解ります。

人間、どこに適正があるかわかりません。それは本人にすら。
自分の好きなことに才能がある可能性は少ないですが、自分に才能があることを好きになるのは、そう難しくないですから。
適性を探す試行錯誤が、大事ということで。


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