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質問箱001:コマ割りの大きさの選択について

質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

①むしろ平凡なコマ割りを

メリハリを付けようとして、かえって読みづらいコマ割りになってしまう投稿者が意外に多い印象です。なので、むしろメリハリのない、平凡なコマ割りで描き、コマの中の絵で勝負する、という逆説もあります。

藤島康介先生は講談社の名編集長・栗原氏に、似たようなことを言われたそうで、『ああっ女神さまっ』以降はコマ割りはオーソドックスにし、逆に難しい仰角アングルや動きのあるポーズを意識されてるように思います。

では、オーソドックスなコマ割りは……と言うと、縦270ミリ×横180ミリの基準版面(セルシス社が基準枠と呼んでますが出版用語では基準版面です。枠ではなく面なので)を横に4分割した、ワイド4コマ型のコマ割りで、アニメの絵コンテ的に割るのが、まずはお奨めです。

②ワイド4コマを奨める理由

コマとコマの間隔を10ミリで設定すると、ワイド4コマは1コマが縦60ミリ×横180ミリの比率になります。これだと1対3の比率になるので、これをさらに2分割するか3分割するかで、レイアウトが取りやすいです。

あるいは、横3分割して縦83ミリ×横180ミリにすると、地上波デジタル放送の9対16や映画のビスタサイズの9対16.65の比率に近くなります。これを縦に2分割すると、ちょうど正方形に近く、コマ割りの練習に向くと思います。

人間の視界は上下に狭く、左右に広いので、これぐらいが視認性が良いようです。ちなみに、縦スクロールのウェブトゥーンに対して懐疑的な理由は、ここです。アクション漫画は横に構図を取るので、愛称が悪いのです。

③まとめとして

あくまでも、練習のためで、その先に個性が自然に出てくるものですが、変形ゴマを多用すれば個性的とか、そんなことはないので注意が必要です。コマの大きさよりも、構成や順番やタイミングが重要です。

同じ大きさのコマ割りである4コマ漫画を、習作に取り込むとコマの枠ではなく、コマの中身で勝負できるようになる……かもしれません。大事なのは、コマ割りは演出の一部だという意識です。

MANZEMIネーム講座では、最初にコマ割りの文法を教えていますが、これを学ぶと変形ごまにこだわったりするより、もっと大事なコマ割りの表現があることに気づきます。

この質問箱では、もう一歩踏み込んだ回答を心がけていますので、質問をお待ちしています。

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