目的を決めない大事さ
HONDAの次世代モビリティ『UNI-ONE』についての、ポストが𝕏(旧Twitter)から流れてきました。ハンズフリーで、座った状態での重心の移動でコントロールできる、まさに未来を感じさせる機器ですね。
①原点はASIMO
HONDA『UNI-ONE』については、こちらのプレスリリースもどうぞ。
車椅子よりも目線の位置が高く、両手を自由に使え、しかも難しい操作はなく、おしりの位置を動かすことで、移動できる。これ、障害者だけでなく健常者も、室内やちょっとした移動に使える。なんというか、魔法のようですね。
この開発には、二足歩行ロボットのASIMOのロボティクス技術の研究が、影響を与えているようです。二足歩行というのは不安定ですから、倒れないための技術や、研究が必要になるわけで。
②段階的な発展
ここからバランス制御技術が発展し、U3-Xという一人乗りの一輪車を開発。それはやがてもっと汎用性が高いUNI-CUBというパーソナルモビリティに発展、その進化版がこのUNI-ONE です。
さて、このASIMOの研究は、特定の成果を目標にせず、始めたんだとか。
特定の成果を目標にすると、そこ以外に応用できたりする発見や知見があっても、見逃しがちになるので。
こういう発想って、ホント大事で。
選択と集中というのは、一歩間違うと余裕も可能性も、切り捨ててしまう面がありますから。
創作も、似ています。
③攻略本文化世代
よく投稿者から、「コレだけ読んでれば充分って本を、教えてください」と言われます。
でも、そういう質問には答えようがありません。
作家になるのは、資格試験でもないし、攻略本や試験対策でもありません。
例えば、10000万冊の本を読めば作家になれるかといえば、そんなことはなく。
100冊でデビィーする人、100000冊読んでもデビューできない人、いろいろです。
一見すると無駄に見えるモノの中から、創造性のヒントを得る。
それって、クリエイターに必須の〝野次馬根性という名の知的好奇心〟に繋がるわけで。
④エジソンの試行錯誤
若い投稿者や学生と話していると、生まれた時からゲーム文化があって、攻略本を購入して攻略するのがあたり前で。
もちろん、非常に地頭が良く、考え方もスマートでクリアなんですが。
試行錯誤することの大事さを、軽視している感じもします。
トーマス・エジソンが電球の研究をしていた時。
いろんな物質を、電球の芯で使えないか、2000回も試行錯誤したとか。
結果的に、エジソンは竹を燃やして出来た炭が良いという結論に至ったのですが。
最初から見つかっていたら、無駄をしなくても良かったのにという知人に、使ってはいけない物質のリストが2000個も手に入ったと、答えたとか。
⑤無駄を楽しむ姿勢
発明というのも、クリエイティブな仕事です。
物語を紡ぐ行為に、似てる部分もあるでしょう。
エジソンのこの発想は、攻略本文化とは、真逆ですが。
創作者なら、ピンと来る話です。
自分の実感が伴わない話は、上滑りします。
SF世界や推理小説でも、自分の実体験や気持ちを、経験したことがないことでも上手く投影して、リアリティが宿ります。
無駄を楽しむ先に、創造性がある気がします。
無駄が無駄で終わっても、受け容れる覚悟が必要ですが。
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