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才能の民主化?

「才能の民主化」という、変な言葉がトレンドに上がっていましたが。
才能は民主化できません。

誰にでも普遍的にあるわけではないから〝才能〟なのであって。
一人一人が個性を持っている〝個別性〟とは、別の概念です。
わざとゴッチャにする人がいますが、注意が必要です。

またその才能も、1万人を感動させられるもの、100万人を感動させられるもの、1億人を感動させられるもの、10億人を感動させられるもの、大小濃淡のグラデーションがありますので。

AIは本来、才能の手伝いをするものだと考えます。
例えば、喜劇王チャップリンは、自身の作品中で流れる名曲をいくつも作曲していますが、実は楽譜が読めませんでした。当然、楽譜を書くこともできません。

でも、いくつかの楽器の演奏はできましたし、素晴らしいメロディーを 思いつくこともできました。
このため、チャップリンがハミングで歌った曲を、楽譜が書ける音楽家が、スコアに起こしたそうです。『モダン・タイムス』用に作曲した『スマイル』は今でも名曲として、CMなどに使われていますね。

思うに、AIに期待されることは、楽譜を書き起こす技術はなくてもメロディーを生み出す才能がある人間を、サポートすることであって。
他人の才能によって生み出された作品を、盗むことではないはずです。

法律はどうしても現実より周回遅れになりがちですが、クリエイターの権利を「才能の民主化」などという言葉遊びで、剽窃することを正当化する行為には、賛成できません。

AIの可能性に、期待するがゆえに。


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