吃音(きつおん)を知っていますか?

どうも~千夏です。
昨日は実は「国際吃音きつおん啓発の日」でした。

本当はその日のうちに書きたかったのですが知ったのが当日の夜だったこともあり寝てしまったので、翌日ではありますが当事者として伝えたいことを書きます。

当事者といっても軽度で日常生活に支障はあまりありません。
当事者の自分すらこの啓発デーを当日に知ったくらいなのであまりこの日は知られていないのでは?と思ったのがこの記事のきっかけです。

とはいえ医者でも言語聴覚士でもないシロウトの自分が情報を書くのは間違ったことを書く恐れがありできません。
主な情報はこちらをご覧ください。

困った経験、差別された経験を話します。

一番困っているのは、社会に情報が溢れすぎていることです。
治せるのか、原因は何なのかなどの情報がありすぎてどれが正しいのか分からなくなりました。
ネットよりは本を見たほうがいいと思い、本屋にも行ったのですが、本屋に行ってもなかなか売っていないのです。
近所の本屋の発達障害のコーナーを見るも吃音の本はゼロでした。
しかもお取り寄せしようとしても高い本が多くとてもじゃないけど買えるものでは有りませんでした。
自分は治そうとは思っていないけれどそれも努力不足や無知なのかもしれません。

比較的運良く受け入れてもらえたことが多く、吃音持ちであることをオープンにすることが多いのですが、
稀に相手を間違えると「治らないの?」「治せないの?」「最近は治せるらしいよ(「だから治す努力をしろ」というニュアンスも含んでいる)」「そもそも生まれつきなの?」と聞かれることがあるので、
まだまだ情報は知れ渡ってないんだなと思います。



次に困ったことは周囲の吃音=発表ができないという思い込みでした。
吃音をからかわれるまで、発表は得意でした。
音読を上手いねと言われ選ばれたこともあります。
(小学校の高学年からは自分で考えたことを発表することが増え、どもらなくても考えたことをうまく伝えられなかったので100%吃音のせいにはできませんが…💦)

3つ目に困ったことは答えが分かっても答えを言えないことでした。
答えを言えない時に
はじめの文字を伸ばす伸発、はじめの文字を繰り返す連発が出てくれれば吃音が理由で答えられないとわかってもらえますが、
声を絞り出してもでてこない難発だと
考えている途中なのか、それとも難発なのか分かってもらえません。(←当事者によりどれがあるかは違いますが自分は全部あります。)
本当に考え中であっても似たような受け答えになるので相手にそれをわかってもらおうとするのはなかなか簡単ではないのです。
もちろん吃音だとあらかじめ伝えておくことも多いのですが、同じ伝え方でもだめなときはだめなのです。

4つ目に困ったことは進学や就職のたびにこの問題にぶつかることです。

吃音はいじめや不登校、ひきこもりの原因にもなりますが軽度であったことと周りに理解者がそれなりにいた事で吃音によるトラブルや悩みは少ない方だと感じています。
通級指導教室(ことばきこえの教室)に通っていたため、同じ吃音持ちの人と話したことがあるのですが、いじめられて吃音を説明できなかったり、話すことを恥ずかしがったりしている人がいました。
ひどいケースでは話せないことが原因でクラスのほぼ全員が敵になったという人までいました。
自分は苦しい経験が両手で数えられる程度しかありません。
それでもバイトの面接で吃音なら厳しいと言われたり、スピーキングテストを障害者配慮にしなければいけなかったり、卒業式で1人ずつ言う言葉を変更しなければいけなかったり、職員室で先生の名前が言えず吃音を理解していない(というよりはあまり関わりがなかったため伝えていなかった)先生にニヤニヤされたりと何にもなかったわけではありません。
今もバイトや進路に迷っています。

理解されるという言葉を繰り返し使いましたが一番大事なのは知ろう、理解しようと思う気持ちと
ネットや本で見た情報で決めつけず、相手の事情を聞くことです。100%の理解は難しいし、自分もそれは(他のマイノリティーや相手に対して)できません。
できないこと、辛いことは当事者一人ひとり違います。「吃音だから」ではなく、「〇〇さんの場合」として見てほしいと思います。
(もちろん吃音ではないことにも言えるんだろうけども)