「臆病ではない。慎重なのだ。」【積読本チャレンジ】

どうも~千夏です。
今回は積読本を読んだ感想、そして本紹介を書きます。

今回紹介するのは、「ことり」小川洋子著
です。
小川洋子さんの本は「博士の愛した数式」しか読んだことがなく、どんな話なのか全く知らない状態で読んだので余計な先入観を持たずに読むことができました。

大好きな作家さんだと展開を予想したり、ある程度作風が分かってしまったりで先入観なしに読むことはできません。先入観なしで読むのはあまり作品を読んだことがないからこその良さです。

【選んだきっかけ】
小川洋子さんが紫綬褒章を受賞したニュースを見たからです。
そういや家にあるけど読んでないなぁと思い突然読みたくなりました。

なおタイトルは登場人物のセリフを引用したものです。


この作品は名言がいくつかあるものの、すごくドラマチックであったり、伏線がはってあったりというところはあまりありません。

難しい言葉もほとんどなく、複雑な構成でもありません。


ただ、読者の想像力に任せた部分が多く、詩のような文であることから本に読み慣れていない方にはおすすめできません。
またちょっと読み飛ばすとわからなくなるところがあるため、さらさら読める本とは言い難いかもしれません。

初めの30ページほどめくった時点で読んだことのないタイプの本だ!と思いました。

たいてい最近は本は電車の中で読むものという感じになってきたのですがこの本もそうでした。

途中でやめても先が気になる!とはあまり思わないのにすごく集中して読んでしまい、一駅降り逃しました笑

家で読むと飲食を忘れるので電車で良かったなぁ、と思います笑

どこがおもしろかった?と聞かれたら答えられないのに愛おしい。

タイトルの意味は後半にだんだん本格的に明かされていきます。
はじめでもわかるのですがそれがわかったつもりであることにのちのち気づくのです。


この本に残念なところがあるとすれば教訓や伝えたいメッセージがわからないところです。

登場人物の家族愛は伝わるものの、読者に示される情報が少ないためなかなかわかりません。

タイトルにもある印象的なセリフから慎重さと臆病さは違うということは知れましたがあまりこの本から学んだことは多くありません。
本は学ぶためだけに読むのではなく単純に暇つぶしでということもあるのだけれど
メッセージ性が薄いとどうしても読みどころが少なくなるのでやっぱり教訓のある本のほうが好きです。
※あくまでも自分には理解できなかったというだけの話です。
本はこちらの体調や置かれた環境、心境でいくらでも読み方が変わるので次読んだときにはすごくメッセージが伝わる!ということもありえます。

そのため機会があればもう一度読み直して再読記事を書こうと思います。

言い訳ですが自分は大切な人をなくした経験、動物を愛した経験がありません。
主人公がする大きなふたつの経験をしていないからということが自分にはメッセージが分からなかった要因だと考えています。



前の記事からこの記事までに読んだ本として
なきむし姫/重松清、見張塔からずっと/重松清
舞姫通信/重松清があります。
なきむし姫以外は死別に深く関わる話なのですがこちらもメッセージがわかりにくいと感じました。(なきむし姫はメッセージ性は弱いのですが、主人公を応援したくなるような話でした)

死別に関する話は自分の精神年齢の低さと経験の浅さ(死別は浅いに越したことないのかもしれないが)から少し共感力が低いようです。

積読本チャレンジ第一弾としては終わります。

積読していた本なのに先入観がないので本を買ったときと同じような楽しみ方となりました。
実はこの本は家にはあったものの誰が買ったか分からず、引っ越すときにこんな本あったっけと思いながらダンボール箱に詰めて、その後忘れかけていたものです。それくらい忘れた本を最後まで読むいい機会でした。
お金も時間もかなり限られているので選ぶ選択肢が狭まるのですが、かえってそれを楽しめるのが積読本を読んでみるということだと思っています。(我が家の場合は積読本ではなく発掘本も少なくないのですがね()) 

すべりこみセーフみたいになりましたが最後の「読書の秋2021」ハッシュタグの記事をかくことができました✨

次回のチャレンジ本は猫鳴り/沼田まほかるです。

ではまた~。