子育ては「予告」するとうまくいくらしい
「はーい、もう帰る時間だよ。片付けようね〜」
夢中になってお砂場で遊んでいる息子たちに声をかけると、きまって、「やだ!もうちょっとあそぶ」という声が返ってきます。
「ダメ、もう帰る時間!暗くなっちゃうよ。ママご飯もつくらなきゃいけないし」
「ヤダ!あとすべりだい、さんかい!」
おうちで麦茶を飲もうとか、帰りに電車を見ようとか、何を言って誘っても、ヤダ。ダメ。
4歳の長男のほうは少し言うと「わかった」と言って、一緒に帰るしたくをするようになったのですが、2歳の次男のほうはまだまだ駄々をこねて、帰りたがらないことも多いのです。公園に行くのはいいけれど、帰るときのいつものやりとりは、とても大変なルーティンと化していました。
いっぽう、一緒に遊びにきているお友達のユウくんに目をやると。
「もう帰るよ〜」
とお母さんから言われると、ユウくんはすんなりお片付けをはじめているではありませんか!もう同い年なのに、なんたる差でしょうか。うちの子は私に似て、聞き分けがないのかしら・・・。
しまいには帰りたがらない息子をかつぎ、強制退場なんてこともありました。泣きわめく子をかついで歩くの、けっこうシンドイ。しかもお友達の前で。こっちが泣きたい!
ある日、その聞き分けのいいお友達ユウくんと、別の大きな公園に遊びに行ったことがありました。めったに行かないその公園に、息子たちはみんなでおおはしゃぎ。
ピクニックをしてお弁当を食べて、広い芝生をかけまわり、めずらしい遊具で遊んで。こんなに楽しそうで、帰るときはさぞ大変だろうな・・・と思いました。きっとまた「かえりたくない!もっとあそぶ!」と言うに違いない。
あと30分くらいで帰ろうかと、ユウくんのお母さんと話したそのあと。お母さんはすかさず、ユウくんにこう話しかけていたんです。
「ユウくん、あと30分で帰るよ。時計みて。あの長い針が10のところになったら帰るお支度するからね」
お母さんはユウくんの手をにぎって、しゃがんで目線の高さを合わせて、あと30分で帰ることをちゃんと事前に伝えていたんです。
ああ、これだ!と思った私。すぐに真似してみました。
「あと30分で帰るよ。時計をみてごらん、この針がぐるっとまわって、10のところになったら帰るからね。それまでは好きに遊んでおいで」
「わかった」と言って、すぐに遊びに戻った息子たち。
時計の針が9になったときは「あと5分だよ。今のうちにすべり台やっておきなね」としっかりリマインドしました。
そうして、時計の針が約束の10になりました。
私は少しばかりドキドキしながら「もう帰るよ〜」と声をかけます。すると、いつもは帰りたくないと駄々をこねる息子たちが、「はーい」と言ってやってきたのです!
「お片付け、ママとどっちが速いかな〜?」
と言うと、息子たちはふたりとも「ぼくがやる!」と我先にと、お砂場セットを袋にしまってくれました。
そうして帰るときは、ユウくんとみんなですんなりと、公園をあとにすることができました。この変化には、私も夫もびっくり。
大好きな電車で釣っても、最後の禁じ手のお菓子で釣っても、今までぜんぜん帰ろうとしなかったのに。「あと○分で帰るよ」という予告こそが、子どもたちが帰る動機になるなんて!
思い起こせば、私もそうでした。
「明日締め切りだからね」と言われると仕事を頑張れるし、「あと30分後に電車が出発」だと思うと急いでお土産を買おうと思えます。
でも「今日締め切りだよ!早く出して!」と言われても「出せないよ!もうちょっと書きたいよ!」となるし、
「今電車行っちゃうから早く来て」と突然言われたら、「もうちょっとお土産選びたいから次の電車にする」と言いたくなります(笑)
自分の気持ちを棚に置いて、子どもには「命令」してしまいがち。今まではそんな、暴力的な言い方をしていたなぁと反省しました。
それからと言うものの、私は何かをするたびに息子には予告するようにしています。できれば、具体的な数字つきで。
「時計の針が6になったら、靴をはいて、保育園にいくよ」
「ご飯を食べ終わって、7時になったら、お皿をさげようね」
するとけっこう、うまくいくことが多いのです。子どもだけでなく、一緒に仕事をするチームメンバーに対しても、「予告」を気をつけるようになりました。
ママ友と子連れで遊ぶと、ちょっとした子育ての方法を思いがけなく教えてもらうことが多いので、ありがたいです。ちなみに「ユウくん」は仮名でした。
きょうは火曜日!まだ火曜日か〜(笑)
私はこれから夕飯をホットクックにしこみつつ、朝ごはんをつくろうかと思います。よい1日になりますように。
小森谷 友美
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