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【食と思想】アメリカ西海岸発のヘルシーな菜食丼「ブッダボウル(buddha bowl)」の世界に触れてみた

年末に向け、何かとお忙しくお過ごしのことと存じます。日毎に寒さも身にしみるこの頃、お元気でお過ごしでしょうか。

11月に突入し今年を振り返る事が増えてた私は、ちょうど一年前に訪れた西海岸での”興味深い”食体験を思い出し、衝動的にレポートを書いています_φ(・_・

Portlandのベジタリアン料理店との出会い

「夜は軽めに食事しようか」
平日の午後7時頃、現地に住む友人から誘われて、向かった先はNatifve Foodsという大分カジュアルなレストラン。健康意識が高い西海岸を中心に展開している人気のベジタリアン専門店らしい。

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子供連れの家族、カップル、女性グループ(ワインをボトルで開けている!)、一人客も目立つ。軽めの食事といってもお腹が満たされなかったら辛いな〜m(_ _)mと、メニューを開いた次の瞬間私の目に止まったのがこちら▼

Buddha Bowl (gluten-free) 10$
Substitute riced cauliflower for brown or jasmine rice.
Teriyaki sweet potatoes, avocado, pineapple, roasted almond slices, roasted corn, daikon sprouts, green onions, and jasmine rice. 

WHAT!(@_@)ブッタボール?!
ヒッピー文化が残る西海岸Portlandも、California roleを超えてついにここまできたか!とネーミングセンスに度肝を抜かれました。そして先週までTrans Tech Conferenceに参加し、ついでにシリコンバレーの禅寺で座禅&改めて東洋思想に感化された私とのシンクロに感動し、迷わず注文。

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出てきたものがこちら。説明のまんま野菜の丼物ですね。アボカドもう1、2切欲しかったけど、甘辛いTeriyakiソースが効いてて癖になりそうなお味。ヘルシーなのに量もあってお腹もいっぱい、名前にも影響されたのか心も満たされました。その他、店内ではオーガニックワインやベジケーキ、ベジバーガーなど多彩な料理が並んでいました。

ブッタボウル(buddha bowl)とは

ブッダボウルとは、野菜・穀物・ナッツなど多彩でヘルシーな食材を盛り合わせた丼のこと。菜食が仏教の精進料理を連想させることや、盛られた食材がふっくらした仏陀のおなかのように見えることからこの名がついたとか。“ヴィーガンボウル”などとも呼ばれているらしい。

ブッダボウルの中身

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出典:Native Foods
ブッダボウルを構成する具材は、野菜・フルーツ・穀物・豆・ナッツなど。肉・魚は一般的には使いませんが、豆類などでたんぱく質を補い、全体の栄養バランスがいいのが特徴です。

そういえば、以前来店レポートを書いた、現代人の駆け込み寺ともいえる代官山のダイニングバー寺カフェにもブッダボウルがありました。東京に住む皆様、ぜひチェックしてみてください^^

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改めて思いますが・・そもそもこの名前をつけちゃうのってすごい。だって日本で「キリストボール」ならぬ「キリストおにぎり」とか「キリストサラダ」とかみつけても、神罰が下りそうで日本人は口にできないと思いません?少なくとも私はできないと思いますm(_ _)mこれをサラッと「Buddha Bowl one, please」で言えちゃう西海岸のカルチャーって興味深いです。

西海岸とベジタリアン

1900年半ばまではアメリカでも肉はそれほど食べられていなかったのですが、第2次世界大戦後、経済が急激に発達していくと同時にアメリカ全土に”肉食文化”が急速に普及し、消費も大きく増えたそう。しかし同時に癌や心臓の病気、糖尿病などの病気も急激に増えていきました。

その中でベジタリアニズム(菜食主義)が広く知られるようになったのは、飢餓と食糧問題に関する世界的に有名な専門家、フランシス・ムア・ラッペ の著書、『Diet for a Small Planet(小さな惑星の緑の食卓)』が1971年に出版されたのがきっかけ。肉や魚を摂取しなくても野菜やフルーツ、穀物、豆類などを食べていれば人はちゃんと生きていけることを説いたこの本はミリオンセラーとなり、アメリカに大きなベジタリアンムーブメントを起こしました。ここが起源かと思われます。

このベジタリアンムーブメントを歓迎したのが60年代にアメリカで生まれたヒッピー文化のヒッピーたち。当時の政治や社会などに反抗し、「LOVE & PEACE」の理想を掲げた彼らの思想に、動物を食べないベジタリアンという考えは非常にマッチしたようです。「A Short History of Vegetarianism」(『Vegetarian Guide』)より

ヒッピー文化の影響があるサンフランシスコを中心に、地産地消や環境保全などをキーワードにサステイナブル(持続可能)な都市政策を進めるポートランドなど西海岸は全米でも特にベジタリアンが多い地として知られているそうですが、ちなみに私は大学時代オレゴン州に留学してました。大学近くで毎週末ファーマーズマーケットが開催されていたり、ローカルスーパーでもオーガニック食品の品揃えは豊富だし、大学の売店にもベジクッキーを見つけたりと、今思えば健康意識は高いエリアだったのかもしれません。

食と思想

おいしいものが山のようにあって、食べたいものはなんでも手に入る現代。皆さんは「毎日自分の口に入れるものを”意識して”選択していますか?」

私は海外生活で体調を崩すまで、「NO」でした。仕事中心に人生が回っていた時は菓子パンが主食。料理する時間すらもったいないので自炊より外食。外食よりデリバリーでいい。毎日の栄養は点滴で補えばいいとまで考えていたほどに、食に無頓着だったんです。頑張ってStarbucksで牛乳を豆乳に変えるくらいの健康リテラシー。

そんな私が、今は心と体の健康を第一に考え、来年2月の漢方・薬膳検定に向けて勉強をしているから驚きです。なぜなら、私は知ってしまったから。

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幸せの9割は腸からやってくるということを・・・!
リラックス、安心感、幸福感などをもたらし、別名「幸せホルモン※」とも呼ばれているセロトニンは、約90%が腸、約8%が血液中、そして脳内に存在するのはわずか約2%だそう。
出典 : 滋賀医科大学「痛みと鎮痛の基礎知識ーPain Relief 神経伝達物質」

ってことは腸を制すれば、心身ともに健康になれるのではないか?と至って単純な発想から食育に関心を持つようになりました。人生100年時代、やりたいことも行きたいところも沢山ありますが「健康」であることが前提条件だと思います。”腸内環境を自分で整える”ために基礎知識をつけること。これが私の2020年最後のありたい姿です。もちろん実践もやっていきますよ!
近々女性の身体に優しい、薬膳をベースにしたBuddha Bowlを創作してみたいと思います(^^)お楽しみに♪


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