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デッサンで光を描く

モチーフの形が取れても、それだけでは立体的には見えません。

なぜなら、光が描かれていないからです。


輪郭線のみのデッサン

私たちは、物体にぶつかった光を目で認識し、その物の色や形を認識しています。

要するに、光がなければ物体を認識することはできないのです。

輪郭線に光の設定と固有色を描き始めた状態

デッサンでも同じく、そこに物体を描くためには「光」を描かなければなりません

それがきちんと描けていれば、そこには必ず立体的なモチーフが出来上がっているでしょう。

完成したデッサン

光を描くためには、まず光源を1つに絞ってください。

自分がいる部屋や教室などには、たくさんの光があり多方面からモチーフに光が差し込んでいると思います。しかし、そのまま描いてしまうと光が正確に描けなくなってしまいます。

光の位置は、モチーフを正面にして、左斜め前からの光か、右斜め前からの光にしましょう。

左斜め前方から光が当たっているティッシュ箱

そうすれば、影がはっきり出て立体的に描きやすくなるはずです。

デッサンの慣れないうちは、右斜め前か左斜め前から光がくる場所でデッサンを行いましょう。

しっかり光源を決めてデッサンをすれば、四角いモチーフに明るい面、中間の明度の面、暗い面の3つが現れまず。しかし、その中でも明暗の調子が変わっているのが観察できますか?


側面にあたる2つの面の下の方がうっすらと明るくなっているのがわかると思います。

これは「反射光」と言います。光源(太陽光やライト)から放たれた光が床に反射して面に照り返している光です。

また、一番手前の角はコントラストをつけはっきり描きましょう。手前の角がしっかり見えることで、奥の角との差をつけてより立体的に見せることができます。


5「ティッシュの箱のデッサン(光源、反射光の説明)


ティッシュ箱のデッサン(光源、反射光)

忘れてはいけないのが、床に落ちる影の存在。

モチーフに近いほど影がはっきり出て、離れるほど薄くなっていきます。

影を描くときにしっかり輪郭を取って中を塗りつぶす方をよく見ますが、輪郭線は書かずに、しっかりとぼかして影の流れを描いてあげてください。

いかがでしょうか。
2つの同じモチーフを重ねるというデッサンは、パースを取るのが難しく、画面に空間を出すための良い練習になります。ぜひ、挑戦してみてください!

描いて欲しいモチーフ、テーマなどありましたらコメントでお待ちしています。

金沢美術学院
永井ちなみ

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