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中国618商戦から考えるプロモーションの新しい形

日本でもある程度有名になっている中国1111商戦。毎年数値を更新したとかで大きな話題をメディアで報じられる中、実は「618商戦」もあることはご存知でしょうか。

「618商戦」とはその名の通り、6月18日前後に行われる商戦のことで、中国でシェア2位を誇る京東(JD.com)を運営する京東集団の設立日、1998年6月18日を記念日として開催される618セールとなります。

コロナ不況から脱却する起爆剤として期待される中、アリババグループの売り上げは6,982億元(約10兆6000億円)発表しています。2019年「ダブルイレブン商戦」と比較すると2.6倍という驚異的な数字となっています。京東(JD.com)も前年比33%増の2,692億元(約4兆1000億円)を売り上げています。

iResearchでは今年の618商戦における特徴をまとめたレポートがありましたので、ご紹介させていただきます。

原文:
http://report.iresearch.cn/report_pdf.aspx?id=3607

今年のキーワードとして
・ECサイトライブ中継
・コンテンツプロモーション
・テクノロジーの発達
・金融サービスの擁護

が挙げられます。

1つずつ簡単にご紹介いたします。

・ECサイトライブ中継
今年のセールでは、ECプラットフォームがライブ中継を使ってプロモーションするケースが多々ありました。
さまざまな業界の著名人や有名番組とのタイアップを行い、大々的にそれぞれの商品をPRしていました。また、ブランドの創業者や代表者もライブ中継に登場し、ブランドイメージアップさせる為に奮闘していました。タオバオが618期間中に600人の企業トップと300人の著名人をライブ中継に登場させていました。

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・コンテンツプロモーション
各企業ではコンテンツに注力していました。ライブ中継だけではなく、インフルエンサーの体験記やショートムービーなどさまざまな形式を使って商品やサービスの魅力を最大限にアピールできるようにプロモーションを実施しました。
またバラエティーや歌合戦などテレビ番組でも自然な露出をさせることで、多くのユーザーにリーチできるように工夫しています。期間中に番組のスポンサーになることによって、テレビ番組ではライブ中継やイベントの告知を行い、オンラインプロモーションとの相乗効果を狙っていました。

・テクノロジーの発達
中国最大手の「京東(JD)」や「天猫(Tmall)」はユーザーに最適なショッピング体験をするために、サービスの改善に力を入れていました。またカスタマーサービスにも注力し、実際に買い物している感覚に近づくよう、繰り返しアップデートを行っていました。

・金融サービスの擁護
期間中、ユーザーの購入欲を刺激するために、中国の大手金融サービスも力を入れています。代表的な施策として、京東の金融サービスは分割回数を増やす対応や、Alipayは借入金上限を期間限定で上げた等が挙げられます。
多くのユーザーは値下げ商品を購入する為に、この期間内で金融サービスを使い始めた方も非常に多くいます。

簡単ではありますが、今年の618商戦についてご紹介させていただきました。
もちろんプラットフォームにおいて、できることやできないこともありますが、日本のプロモーションでも使えることがあると考えています。
露出を増やすと同時にコンテンツ内容をより豊かにすることで、印象付けることができる上、売り上げの増加も期待できます。
売り上げ数値以外に特徴に注目することで、プロモーションのヒントになるかもしれないですね。

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