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平隊士の日々 元治元年卯月十四

元治元年卯月十四  


なんだか、喉が痛い、咳もでる。
とりあえず、森を起こし、布団をしまい、簡単に掃除をして、稽古へ。
井上組長がいない。
山南総長が来て、
源さんは、ゆうべのうちに、高熱が出て、今日は、休むとのこと。
心配なので、後で、皆で顔を見に行こうということになった。
なんだか、稽古場が寂しい、
食あたりが治って、隊士が増えたと思ったら、
また、隊士が減っている。

賄当番の四番隊の隊士がほぼ全滅、松原組長と隊士二人のみが元気。
あちらこちらの隊から人手を集めて朝食つくり、
なにか、揉めている。
おかげで、朝食の時間が遅くなった。

朝食、漬物、梅干し、たくあん、味噌汁、ご飯。
並びの向こう半分の味噌汁が白みそ、手前が赤だし、
味噌汁でもめていたんだなきっと、
結局、意見が一致しなくて二種類になったようだ。

本日の隊務割、
元気な者で、巡察、残りは非番か当直。
咳が出るが、とりあえず、元気側として、一番隊に混ざって南巡察。
特に、何もなく、屯所に戻る。

昼食前に井上組長の顔を見に伺う。
熱があり、苦しそうなので、早々に昼食に行く。
昼食、なんだかよくわからない鍋、漬物、味噌汁、ご飯。
多分、体調不良の隊士が多いので、
雑炊か鍋かでもめて、中途半端な鍋になったとみた。

午後、山南総長と、寄せ集め隊士で西巡察。
巡察の途中で、山南総長が振り売から飴を多量に買う。
喉が痛い隊士に分けてやれと言い、僕にも飴をくれた。
屯所に戻り、
井上組長のところに行く、枕元に大量の飴が、
山南さんが置いて行ったと、僕の分も置こうとしたら、
「食べきらないから、みんなで分けろ。」
沢山、貰ってしまった。
知り合いの隊士に分ける。

夕食、しゃもと溶き卵が入った雑炊、梅干し、沢庵。

当直、
稽古をしながら、森が話しかける。
「隊士の半分が体調不良で休んでいる。
とりあえず、巡察と当直をしているが、隊士は増えないのかな。」
「徐々には増えると思うが、当分は元気な者でこなすしかない。」
「浪士にも風邪がはやると良いな。」
そんな事を話している内に、
監察方が戻り、当直も終了。

井上組長の顔を見に行くと、少しは良くなったようだ。
「明日は稽古に行ける。」と言ったので、
「いや、無理はしないでください。」と、お願いをして、
軽く、酒を飲み、寝る。


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