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平隊士の日々 文久四年(元治元年)弥生二十四

文久四年(元治元年)弥生二十四 


夜中に三番隊に襲撃の鍛錬があり、眠い。
それでも、井上組長は朝から元気だ。
朝の稽古でも、打ち込みの稽古に参加した。
今日は死番なので、ともかく、肝を据えて飛び込まなければならない。
稽古に汗を流して、いつもの朝食。

本日の勤務割は、午前中は非番、午後は西巡察。
非番と言うことで近所を散歩しようと思ったが、井上組長に呼び止められた。
「月代を剃れ、少しみっともないぞ。」
次郎作を探して、身だしなみを整えるのを手伝ってもらう。

昼食、煮魚が出た。
西巡察の開始、
今日は西巡察の道順から外れるとのこと、
監察より、北野天満宮の裏の氏邸に不逞浪士が集まっているらしい。
北野天満宮に着いて、井上組長から手順を指示された。
組長が御用改めと呼んで戸を開けるので、各組の死番は飛び込むとのこと、
死番以外の隊士は氏邸の周囲を固め、組長より居たと声を聞いたら加勢する。

いきなり来た、汗が止まらない。
刀を抜いて、井上組長の後を付いていく、
組長が扉を開けたので、飛び込んだが、誰もいない。
逃げられたらしい、
奥の方で「こっちだ!」と叫ぶのが聞こえた。
慌てて、奥に進み、浪士を探すが、
やはり、誰もいない。
井上組長が「逃げられたか。」と言い刀をしまったので、
僕も刀をしまおうとしたが、手が震えてしまえない。
そのまま、うろうろしていたら、
組長から「仲間を傷つけるから刀をしまえ。」と怒られた。
監察が番所に届けを出すので、
今日の死番は付いて来い、と組長に言われ番所まで行く。
他の隊士は巡察を続けるとのこと、
氏邸に御用改めに入ったと言うことで、
私邸に入った隊士は番所で名前を告げる。

組長とともに屯所に戻り、
夕食。
ネギ鍋だった。
隊務を終えて、風呂屋に行く。
半日で一生分の汗をかいたようだ。
眠れないので酒を二合のんだ。
気が付いたら眠っていた。

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