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一人のオタクがAqoursぬまづフェスで何かを思い出した話

唐突だけど私はラブライブ!が大好きだ。
ラブライブ!サンシャイン!!が大好きだ。
Aqoursが大好きで、渡辺曜が大好きだ。

昔から空想や妄想をする事が好きだった。
自分が好きな物、好きな世界、好きなキャラが現実に存在したら良いのに…といつも思っていたし、今でも思っている。

現実にラブライブ!の世界は存在しないし、もちろん渡辺曜なる人物が実在するはずもない。
けれど、ラブライブ!サンシャイン!!の世界の中に描かれている「沼津」という街は存在している。
「沼津」という街は、現実で生きる私達とラブライブ!サンシャイン!!の世界の中で生きるAqoursとの接点だった。

だから私は彼女達の存在を感じたくて、少しでも彼女達の世界を知りたくて何度も何度も沼津に通った。
新幹線の回数券を購入して、東京から毎週末沼津に通っていた頃もあった。
今だから話せるけども、その後転職した時は(それだけが決定打では無いけれども)ラブライブ!サンシャイン!!とコラボしている会社に入社した。
(今は諸事情あって退職して別の会社に転職)

そして沼津の街を歩いて、沼津の街の風景を知って、沼津の街の匂いを感じて、沼津に住んでいる方々と交流をした。

渡辺曜の家の近所にあるコンビニ。
個人的に最も渡辺曜の存在を現実で感じる場所。


私の大好きなラブライブ!サンシャイン!!の世界の中に自分は存在していない。だから私は渡辺曜に会ってはいけない。

でも、渡辺曜も同じ沼津に住んでいるから。
渡辺曜は現実に存在していなくても、沼津は現実に存在しているから。
私が現実で見た沼津の風景と、ラブライブ!サンシャイン!!の世界の中で渡辺曜が見ている風景はきっと同じ物だから。
ラブライブ!サンシャイン!!の世界の中で渡辺曜が見ている風景、行っているであろうお店、そして街の匂い。
それを自分が現実で感じる事で渡辺曜の存在を感じる事が出来た。
それが自分にとって「渡辺曜が存在する」事の証明だった。


余談となるが、ある時オタクの友人からリアル脱出ゲームに誘われた。
正直当時リアル脱出ゲームという物に対して興味があった訳でもなく(そのせいで淡島脱出に参加出来なかった事は今でも一番後悔してる事)、誘われたから行く…くらいの感覚だった。
しかしそこには、自分が子供の頃から思い描いていた「自分の大好きな空想の世界に実際に入れる世界」が存在していた。
本当に閉じ込められて、本当に潜入して、本当に魔法を使って、本当に番組を作って、そして本当に好きなアニメの作品の世界の中に入って。
リアル脱出ゲームって、それを作ってるSCRAPってこんな凄いんだ!!と知った。

そしてそんなSCRAP、リアル脱出ゲームとラブライブ!サンシャイン!!が再びコラボする事が発表された。

学校祭ライブ中止の危機からの脱出
そこには本当に「ラブライブ!サンシャイン!!」の世界が存在していた。

そこにはAqoursが存在した。
夢にまで見た、あのラブライブ!サンシャイン!!の世界の中に自分が入る事が出来た。
Aqoursに直接会った訳ではない。直接会話をした訳ではない。
でも自分が「助っ人さん」というモブを超えないモブの立場で、Aqours達と関わる事が出来た。
浦の星女学院の為に自分が手助けをする事が出来た。
それだけで彼女達が存在する世界を感じるには十分過ぎた。

自分にとってラブライブ!は人生の目的だった。
彼女達の為ならいくらお金を注ぎ込んでも苦では無かった。
彼女達に会いたいが為に働いていた。

それからしばらくして。
コロナの流行によるライブの中止、虹ヶ咲やスーパースター!!が本格始動した事によるラブライブ!コンテンツに対するリソースの増大、以前は一年に1〜2回のお祭りのようだったライブは毎週、毎月のように開催されるようになった。
(それが悪い事だとは全く思っていない。コンテンツに触れる間口が広くなったのは本当に嬉しい事。)

加えて自分自身の生活環境の大きな変化により、どうしても趣味よりも優先しなければならない事も増えてきた。

いつからだろうか。
自分が生放送やアニメの放送、ライブやファンミの開催などに対して嬉しい気持ちも大いにある反面、参加しなければいけない義務感のような「負担」を感じるようになってしまったのは。
それだけ余裕がなかったのかもしれない。
時間や金銭も自由に使えなくなってしまったからなのかもしれない。
自分が大好きなコンテンツの嬉しいはずの告知に対して、心の中にどこかそんな感情を抱いてしまう自分に対して自己嫌悪していた。
このまま自分が「楽しい」という気持ちを感じなくなってしまい、全てをタスクとしてこなして行くだけの人生になってしまうのではないかと不安だった。

そんな中でSCRAPからまた、リアル脱出ゲームでは無い新しいラブライブ!サンシャイン!!とのコラボが発表された。

正直、冷めていた。
あの学校祭が発表された時のような熱さは無かった。
「ああ、またどこかで時間とお金を調整しないと…」という気持ちの方が強かった。

そして5/14。
この文章を書いているたった2日前の事。
よみうりランドに向かう自分の気持ちはどこか他人事だった。
何かやるみたいだから見に行くか、くらいの感覚だった。

入場ゲートの様子
9人のスタンドパネルも


そして始まったAqoursぬまづフェスティバル。
どこか斜に構えていると言うか、世界に入り込むに入り込めなくなっていた自分を待っていたのは「Aqoursが存在してる世界」だった。

一人の愚かなオタクを除き、みんなが「助っ人さん」になっていた。みんなが Aqoursの為に何か助けになりたい!と頑張っていた。
フェスの会場にいた浦女の生徒さん達は単なる演者だったり舞台装置ではなかった。
各々を名前で呼び合い、各々が友達だったり姉妹だったり渡辺曜とご近所さんだったりする、沼津に住むリアルな浦の星女学院の生徒だった。

最初は俯瞰的だった自分がどんどんと世界の中に取り込まれて行くのを感じた。
ただアトラクションをこなすだけの感覚だった気持ちが、どんどんAqoursの為に自分が何かやりたい!自分が手伝ってあげたい!浦女のみんなと一緒に盛り上がりたい!という気持ちになっていった。

そこにあったのはラブライブ!サンシャイン!!とコラボした何かの公演ではなく、紛う事なきAqoursが存在しているラブライブ!サンシャイン!!の世界で、Aqoursが開催しようとしている「Aqoursぬまづフェスティバル」だった。

そして、ネタバレ避けの為に詳細は省くが、私はとうとう「渡辺曜と会話をしてしまった。」
自分の発する言葉に対し、渡辺曜がその言葉に対する言葉を返して来てくれたのだ。

その瞬間、自分の中でモヤがかかっていた気持ちが全て晴れた。

私は渡辺曜に会いたかったのだ。

私は渡辺曜と会話をしたかったのだ。

私は、この世界に渡辺曜が存在していて欲しかったのだ。

泣いた。大いに泣いた。
人前だったから抑えていたけど会場で涙腺崩壊寸前だった。声を上げて泣きそうになっていた。

彼女達は何も変わっていなかった。
キャストがライブのMCで言っていたように、Aqoursはずっと自分達のそばにいた。
変わったのは「忙しさ」を言い訳にして彼女達に対して勝手に冷めた気になっていた自分の方だった。

彼女達は何も変わらずに沼津で生きて、そして沼津の為に頑張っていて、そしてフェスを開催するに当たって人手が足りず、学校祭ライブで手を貸した自分達助っ人さんに対して助けを求めて来てくれたのだ。

何て愚かなんだろう。
何で気付かなかったんだろう。
何で彼女達の心からのヘルプに対して自分はこんなにも冷めた気持ちでこの場に来ていたんだろう。

自分はこんなにもラブライブ!が、ラブライブ!サンシャイン!!が、Aqoursが、そして渡辺曜が大好きだったのだ。

Aqoursぬまづフェスティバル。
斜に構えて冷めた気でいた自分の手を引いてくれたのは他ならぬAqours自身だった。
彼女達が沼津をアピールする為に開催してくれたフェスで一人の愚かなオタクの目を覚まさせてくれて、沼津の良さ、Aqoursが大好きな気持ちを思い出させてくれた。
本当に、本当にありがとう。

もちろん生活環境は変わらないし、どうしても趣味よりも優先しなければいけない事もたくさんある。
だからこそ、彼女達に会える事をこれからも楽しみにしていよう。
彼女達に会える事を楽しみにして日々を頑張っていこう。
そしてまた時間が出来たら沼津を歩いて、渡辺曜に「会いに」行こう。

そんなAqoursぬまづフェスティバルも残りたったの6日12回しか開催されない。
切実なお願いだから、みんなAqoursぬまづフェスティバルに行って欲しい。
この面白くも無いオタクの長々とした文章を最後まで読んでくれた方がいらっしゃって、Aqoursぬまづフェスティバルに行くかどうか悩んでいるのであれば本当に後悔はさせません。

彼女達がよみうりランドで沼津をアピールするフェスを開催しようとしています。
人手が足りず、このままではフェスが開催出来ません。
どうか彼女達の力になってあげてください。彼女達を助けてあげてください。
そして無事にフェスが開催された時には、彼女達と一緒になって大いに盛り上がって楽しんでください。

どうか、あなたの手でAqoursぬまづフェスティバルを成功に導いてやってください。

最後に、最推しユニットであるAZALEAの曲の歌詞を自分に言い聞かせてこの文章を終わりにしたいと思います。

Amazing Travel
忙しいの?
それはただの諦めです
だから飛び出しますよ
ほら手を取って 新しい経験へと

2022年5月17日
陳じも

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