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アナログアシスタント時代のハナシ:10 『自称霊能者に祓われた男』編

なんつうサブタイトル・・・

投稿作を描いたことのない40歳男漫画家志望の話もとりあえず、最終回です。こんなに長くなるとは…💦

でもね、事実なんですよ・・・

さて、どうもこの業界、虚言癖のあるやつが多いのです。

要は、自己顕示欲や承認欲求が強いのに
自分になにも能力がないとなると、
私は特別なの!あなたたちと違って
選ばれた人間なの!と必死に自分に
言い聞かさないと、ダメなくらい
自分よりも才能があったり、
カリスマ性があったり、
魅力的な人が当然のごとくたくさんいるので、
嘘ついてでも自分を誇張しないと
居心地が悪いと思うようです。(やはり漫画家さんはみんなご本人も、魅力的な人多いよ♪)

だから、いい年こいてどうでもいいような
すぐに嘘だとバレるような、うっすい嘘をつく人は
少なくありません。
(漫画関係者だったら、もっとバレないような嘘ついてみせろよ)

いや、笑い話ですけどね、かなり昔の話ですが
仲良しの先輩漫画家の Iさんが若い頃に忌野清志郎さんの
大ファンで、あまりにもビックファン過ぎて、
Iさんの『好き』には勝てないと思ったらしい人が、会ったこともないはずの忌野清志郎さんと婚約までしてしまったという…ミザリーな実話がありました…。
Iさんにわざわざ謝罪の電話をしてきたらしい…(怖っ!!!!)

さて、前置きはこのくらいにして(前置き重っ!)
前回に引き続き、投稿作を描いたことのない漫画家志望の40歳男の話、最終回です。こんな面白い事実があったなら、私もその場に立ち会いたかった・・・(つд⊂)エーン

この時、私は別の仕事場のスケジュールが重なり、青年誌の先生の仕事場に行けなくなり、先生は私の代わりにピンチヒッターを呼び、仕事をしたそうなのです。

なのでこの話、先生ともう一人の漫画家さんのアシスタントYさんの二人から聞いた話になります。

あまりにも面白いので、ネタっぽくて嘘みたいなんですけど・・・

今回の仕事は3日間の通い、夕方5時に集合して、翌朝の5時までの12時間仕事、うち2回食事休憩が入るのです。

1日目、ピンチヒッターに来た女性のアシスタントは年齢は40歳過ぎてて、どうやら別のアシスタント先の経験もある人。社交的で普通に話もうまくて初日は滞りなく仕事は終わったらしい。

で、2日目、40歳漫画家志望の男とYさんとピンチヒッターの女性アシスタントは指定された仕事を先生とは別室でコツコツとこなしていた時に、そのピンチヒッターさんが、会話の流れから40歳男に

「あなたは本当は自分のやりたいことではなく、叔父さんの霊が乗り移っているので、叔父さんのしたい事をしていたのであって、自分がやりたいとは思ってないことをしていたんだと思いますよ」

と言い出したらしい…

40歳男はすっかり信じ切って「そうそう!そうなんですよ!!」と、ガッツリそれに乗っかり、自分の事を代弁してもらえたかのように、すっかりとその人の話にのめりこんで手元の作業もそっちのけで話に夢中になっていたといいます。要はこれまで投稿してこなかったのは、叔父さんのせいにできるので、そらもう大喜びだったわけですよ。

そして、Yさんはこの当時に数年前にお父様を亡くされているのですが、お父様が心配して憑いているとかなんとかで、仕事中に除霊が始まった模様…(誰かツっこんだって…)

Yさんの除霊が済み、40歳男の除霊をはじめ意味不明な呪文を唱えながら、夜中に奇声をあげながら除霊をするので、慌てた先生が止めに入ってきた。

当然の権利と当然ながら先生は注意して(だってこの時間もお金発生してるもん)この日の仕事終わりで40歳男にクビを言い渡すのでした。

「悪いけど、こんな事をされたら困るし、仕事にも差し支えるから、今回で辞めてもらいます」

すると、まったく状況が解ってない40男は

「いや、もう大丈夫です!大丈夫です!除霊してもらったんで!」

言葉が通じてない・・・

この男にとっては仕事に差し支えていたのは、叔父さんの霊が憑りついていたからであって、除霊してもらったんで、もう安心ですよと言い返したかったらしい。

さすがの先生もブチ切れ
「そういう事じゃないから!!💢💢💢」

自称霊能者は帰るときに「これでもうお会いすることはないでしょうけど、ご多幸をお祈りいたします」と先生に言い残して辞めていったという。

先生からすると大迷惑な話で、仕事中に何やってんだよという話で、ブチギレるの当然です・・・・。

それで、その次の仕事の時に来た私に先生は半ベソでこの事態を説明。

Yさんと共に、大変だったと話していました。

後日・・・この話を違う仕事場で笑い話として話すと

「その、叔父さんの霊が憑りついてて、自分がしたくない仕事を今までしてた…ってくだりさぁ、江原裕之さんがテレビ番組で昔やってたんだよね。言っている事とかやってる事、江原さんのパクリじゃん。霊感ないんじゃない?そのピンチヒッターアシ…嘘でしょ…それ…」

アシスタント仲間から聞かされて、やっぱりなあ~そんな事じゃないかと思ったよ。私は江原さん好きだけど、その番組は観てなかった・・・(;・∀・)

「誰もたまたま観ていない事を初日に確認したので、翌日のびのびと除霊ごっこをしたんじゃないの?エセ・スピリチュアリストって当時多かったし、マンガ業界って、虚言癖のある人多いからさ」

確かに。自分に注目が集まらないという不満を抱えている人は、けっこうこの業界には多いので、自分に特別感とか選民感を持たせるために、特殊な能力があるという嘘をついてまでして、誇示したいんだろう。(-_-;)

小学生並みの幼稚な虚栄心だが、そうでもしないと自分が何もないという事を己が一番思い知っていることなんだろうね。(小学校の時に、家がド貧乏なのに、グランドピアノ持ってるとか、バイオリン習っていると嘘ついてる子いたよなぁ・・・あれと同じで哀れである)

恋愛経験などが皆無な人も多いので、それを必死で補うために、安い嘘をつく人が多い。たいていそういう人は、気軽に彼氏がいたけど振ってやった!という事を武勇伝のように話すのだが…細かくツッコんで聞いていくと、ポロポロ粗が出てくる。恋愛経験ない事がコンプレックスなんだなと思うけど、片思いや失恋を含めた恋愛経験は、未経験者の事は簡単に見抜けるから、そういう嘘つくの辞めたほうがいいと思うんだけど・・・・嘘つくんだよね・・・こういう人って。

あれだけは、他人と関わっている事だし、相手のある事なので、嘘では語り切れないみたいだよね。←イマジナリー彼氏は、彼氏が実際にいる人や既婚者からは、簡単に見抜けるからね?一応ここで警告しておくからね?   嘘だな~と思って気の毒だから、バレてないんじゃなくて、泳がされているだけだからね?

話をもとに戻して・・・(;・∀・)

そんな訳で、本人が祓われて仕事場がいやすくなったので私的には万々歳♪精神衛生上も良くなったし♪ 普段生きてて、そこまで人を嫌うこともないし、あんまり怒ることもなくなってしまったのですが、こいつに関しては久々の怒りを覚えましたね・・・私は基本的には、怒りたくもなければ争いごとなんかご免被るんだよ。疲れるし、いい事なんか何もないんだから。…勘弁してくれよ(つд⊂)

さらに余談なのですが・・・・
半年後にYさんが自分の仕事が忙しくお休みする時に、先生は再びアシスタント募集をかけたのですが、その40歳漫画家志望男は、再び先生のアシスタントに応募してきたらしい…

さすがに先生は脱力して無視して返信しなかったという(当たり前だ)

それから、違う仕事場でも、この40歳男の漫画家志望は、たびたびあちこちの仕事場に現れているらしくて、別の先生の仕事場で話が持ち上がった時に
「あ!私、その人会ってる!◯◯先生の仕事場で!」と生存が確認されている・・・。
アシスタントさんたちは、いくつかの仕事場を掛け持っている人たちばかりなので、顔見知りや共通のアシスタント仲間がいたりするのだ。

かなり前の話なので、多分この40歳男漫画家志望は、もうこの業界にはいないと思う。
どうせ投稿作を描く事もないまま、また何か
理由をつけて、負け犬人生を生きているんだと思う。

今、頑張れない人は、明日も明後日も頑張らないよ。
やらない理由を探している時点で向いてない。
描かないでいられるなら、描きたい訳じゃない。

マンガを描きたいのか
漫画家という肩書きになりたいだけなのかよく考えてくれ。

肩書きになりたいだけなら勝手に名乗ってくれ。うん、勝手にオレは漫画家だっていえばいいよ。別に犯罪じゃないし。
名刺でもなんでも作って、公言していい。
マンガを描いてないのに漫画家名乗って
どういう目で見られて、どういう人間なのか
疑われようと、本人の責任で自由だから、名乗れ名乗れ。

でも、頼むからアシスタント業界には来ないでくれ。迷惑だから。これ、仕事だから。遊びじゃないんで。

ひとまず、これで40歳男漫画家志望のヤツの話は終わります。
アナログアシスタント時代の話は、また思い出した時に面白いネタがあったら、書きます🍀
読んでくださってありがとうございました。

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