ゴリゴリのクリエイターが語るNFTや著作権についてやや否定的な話

最近ツイッターなどでNFTという単語をよく見かけるようになりました。

気になってどんなものか調べてみたところ、そこまで素晴らしいものでもないし、しょうもない面もあると思いました。しかしそういう否定的意見は少ない様子。特にクリエイター側からは。なので自分がどのようにしょうもない面を感じたのか、著作権やオリジナル創作や最近読んだ人新世の資本論も絡めつつ、複数のテーマを横断して書いていきたいと思います。

前提として、著者は漫画家として某四季賞も取ったことがあるし、オリジナル曲で百万再生以上されてるし、プログラミングしてアプリもリリースしたし、アニメも作るし、自作ゲームが実況もされてるし…と色んなジャンルで浅く広く創作しているので、堂々クリエイターと自称できるかと思います。(なぜか全部下ネタという共通点あり)
なので色々な業界の色々なクリエイター村の立場やしんどさも多少は分かるつもりです。

そんなクリエイターなのに…いや寧ろ色々なクリエイター村に小指をつっこんでるからこそNFTにあまり魅力を感じなかったのかもしれません。

基本的にポジショントークにならないよう…人類全体や地球環境や宇宙全体にとってどうかというスタンスを意識して書いてます。

NFTについて知らない人は↓とか他のソースを参照してください。


NFTとは何か大体わかったとして、まず個人的に感じたメリットとデメリットを挙げていき、後半に著作権や創作について根源的な話をしたいです。

NFTのメリット①投機対象として魅力的②クリエイターは稼げる③転売しても制作者に利益が入る

NFTのメリットであろうことについて、重要度が軽い順に三つ挙げます。これらは既に他の記事でも言われていることではありますが。

①投機対象として魅力的

あまり興味ない分野なので詳しくないですが、仮想通貨のように投機対象として一部の人たちに受けているようです。従来のアート作品のように無名の時に買った作品が、何百倍何千倍と高騰する可能性もあるでしょう。目利きのある人や投資家にとってはいい儲けの手段になるかもしれません。しかし多くの人にはあまり関係ない世界でしょう。寧ろ多くの一般人は後述のデメリットで書くような、なんらかの詐欺に遭わないか警戒した方がいいかもしれません。

①クリエイターは稼げる

やれ子供の描いた絵が何百万円で売れたとか、イケハヤ氏がアイコン画像を何千万円で買っただの話がありまね。これを聞いたインターネットお絵描きマンは「わいの絵も高値で売れるんじゃ…グフフ」と取らぬ狸の皮算用をしているかもしれません。いずれにせよ絵師に限らずボカロPでも3Dモデラーでもクリエイターが自身の作品で稼げる方法が増えるのは大変よきことかと思います。

③転売しても制作者に利益が入る

個人的にはこのメリットが一番大きいと思います。現状、中古本や中古ゲームは売り買いされても制作者に一銭も入らない状態です。でもNFTなら転売されても制作元に何%(任意で指定できるらしい)か入るそうです。本当はデジタルコンテンツに限らず、あらゆる商品がNFT的な利益分配が起こればいいのにと思いました。生産者、消費者、仲介業者、あらゆる層で売買が活発になり人類全体の豊かさにつながりそうです。


デメリット①オペレーション上の諸々問題(仮想通貨、詐欺、作者認証)②資本主義の負の側面である格差拡大・既得権益を孕んでいる

では次にNFTのデメリット、つまりしょうもない面があるな~と思った部分について重要度が低い順に書いていきます。

既存の否定的な意見として、イーロンマスクがNFT含めた仮想通貨など「電力消費しすぎで環境に悪い」と言っているようですが。

本記事ではこの件はスルーします。

①オペレーション上の諸々の問題は細かい話で、時間や技術でどうになりそうな割と軽い話題です。
②資本主義の負の側面である格差拡大・既得権益を孕んでいるは根が深い話になります。


①オペレーション上の諸々問題(1)仮想通貨めんどくさいし詐欺くさい(2)作者認証の問題

NFTについて単純に僕の理解が追い付いてなかったり、各プラットフォームごとに差異があったり、まだまだ発展途上のシステムだったりするせいか細かい疑問点や懸念点がふつふつと沸いてきます。大きく2点書いていきます。

(1)仮想通貨めんどくさいし詐欺くさい

NFT…よく分からんので実際自分でやった方が早いやろ!と思って軽く始め方を調べたんですよ。そしたらすごい面倒くさそうだし、初期投資額が普通に5桁円超えそうなのでやめました。

メジャーなNFTのプラットフォームとしてOpenseaというのがあるんですが、「イーサリアムの口座を作らなければならない?」「送金にガス代がかかる?」など面倒なうえにお金のかかりそうな情報がバンバン出てきたのでやる気が失せました。あまり陰謀論は好きではありませんが、NFTバブルはイーサリアムを発行している企業がリアルマネーを手に入れるために仕掛けたヤラセ作戦なのでは…と思えてきました。ゴールドラッシュで一番儲けたのはジーパン売ってたリーバイスみたいなアレですね。大体NFT紹介する記事も、やたら「今なら稼げる!」「このリンクに飛んですぐはじめよう!」的なきな臭い謡い文句が多いです。

でもこのままじゃしゃくなのでもう少し調べたら、GMOが運営しているadamという所があったのでアカウント作ってみました。
https://adam.jp/
現在、Adam byGMOはβ版として提供させていただいており、一部のクリエイター様からのみ一次出品をいただいております
うん。なんもできんかったわ。

またプラットフォーム側に詐欺的運営の目論見が全くなかったとしても、結果的に詐欺っぽくなってしまう可能性も大いにあります。具体例を考えてみると、「あなたのイラストがオークションで数十億の値がつくかもしれません!」「出品には仮想通貨の口座を作る必要があります!」「出品料は○○円です!」といって金と個人情報だけ取られて何も売れないなんてありそうです。
他にもユーザー間で「このアーティストは絶対この後バズって価値が上がるので今のうちに作品を買っておいた方がいいですよ!」と言われて買ったけど、全然バズらないとかもありそうです。

とにかく人間大金が動く話を聞くと冷静な判断力が落ちるので注意したいところです。

(2)作者認証の問題

作者認証の問題。他の記事でも指摘されてますが、具体的に挙げると、「有名なイラストレーターのイラストを本人のふりしてNFTアートとして売る」みたいなことです。
そんなごく少数の詐欺師・無断転載ヤローなんて少数過ぎて無視していいレベル!と言う意見もあると思います。ただこの問題、僕の経験上NFTをきっかけにもっとネット全体で問題意識を持った方がいいと思ったので書きます。

話は飛びますが、以前Pornhubで認証アカウントを作ったことがあります。

https://note.com/chimpotty/n/nfd1da02d266d

今はどうなってるか知りませんが、収益を得るため認証されるには、マイナンバーカードなど身分証明書はもちろん、顔写真とIDを書いた紙が一緒に写ってる写真も送る必要があったのです。
つまり動画クリエイター()として収入を得るにはPornhubに洗いざらい個人情報を渡し、身の潔白を証明しないといけないのです。ちなみ僕のようにアニメ動画を認証してもらうには、アニメを制作している様子を動画に録って送る必要がありました。ここまで徹底しているのは人権尊重し合意の上で行われているプレイと証明する必要があるからなのは言わずもがなです。

さてNFTのプラットフォームはここまで徹底しているのでしょうか?
Openseaの始め方の記事を流し読みした感じ、そこまで認証に徹底してないようでした。GMOのadamはまだ出品できないので分かりません。
なりすましや無断転載がないか少し不安ですね。

作者認証の問題についてYouTubeでの状況も言わせてください。YouTubeではPonhubに比べると認証がゆるゆる過ぎてクソが漏れそうです。住所氏名電話番号銀行口座ぐらいで収益もらえます。そんな状況だからか著作権侵害詐欺なるものも発生したりします。

YouTubeの性質上、先にYouTubeにアップしたモノ勝ちみたいなところがああります。アップロードした人がちゃんと手間暇かけて作った動画かどうかなんて一切チェックしようがありません。

ここまで説明してようやくPornhubが作者認証についてめちゃくちゃ意識高いということが分かりますね。

YouTubeではゆっくり系の動画が売買されたり、ドキュメンタリーテイストのやらせチャンネルがあったりと、それらも認証のゆるゆるさから横行しているとも言えます。

YouTubeもたいがいですが、より大金が動くNFTにおいてはPornhub以上に作者認証を徹底する必要があると思います。

もちろんネットの利点として匿名性、平等性などあるので、例えばAdoさんのような人が顔や個人情報を公開しないで活動した方がいいと思いますが、お金を稼ぐには運営にはしっかり身元認証した方がいいかと思います。
というかネットビジネスを行う際はPornhub基準が今後のスタンダードになるべきだと。それぐらいの覚悟と責任を持って行う方が、ファン、視聴者、消費者が安心して楽しんだり、購入したりできるはずです。

というような現状のオペレーション上の問題を書き連ねましたが、時間とともに解決しそうではあるので、根本的な問題ではないと思います。


②資本主義の負の側面である格差拡大・既得権益を孕んでいる

NFTの説明で「デジタルの世界は全く同じものを無限にコピーできます」「でもNFTはそこに限定1点ものを作ることができるんです」という一節もありました。

これを初めて聞いた瞬間、なんてアホなこと言ってるんだ…と正直思ってしまいました。そんなに1点ものを売りたけれはフィジカル(デジタルに対して物体の意味)を売った方が早いだろ…と。

ただよく話を聞くと、例えばJPG画像だと対外的にこの画像の所有者は唯一私ですと証明できるということで、別にその画像の自体は誰でも見れるし、いくらでもコピーできるらしい。

そうなってくると、所有とは呼べたものでないし「この作品に金払ったよアピ」ぐらいしか購入する側のメリットがないような気がするのですが…。あとは転売して高く売れるぐらい。(そっちメインの人が多いかもしれません)

またクリエイター側の意見としては「今まで安く買われて、いくらでもコピーされていたものが、数を限定することで高く売れて嬉しい!」的な声も有りました。

同じクリエイターの端くれとして自作品が高く売れることは嬉しいですが、購入者は「金払ったアピ」ぐらいしかできないのであれば、高い額で買ってもらうのは忍びないです。というか今はNFTバブルのようですが時間が経てば供給過多で元々有名なクリエイター以外売れなくなりそうですが。

さて「数を限定することで高く売れて」と太字にしたのは重要な意味があります。

NFTについて調べている間ずっとよくない印象があったのですが、この言葉でピンときました!最近読んだ人新世の資本論とつながったのです!

人新世の資本論について、しっかり理解はできてなさそうですが、前半部分の「資本主義このまま続けたらアカン」的なところは同感な一方、後半のコモンについては「うまくいかなそ~めんどくさそ~意識高い人しか無理じゃね~」という感想です。
アマゾンレビューだと一即多多即一という方が☆1の長文レビューを書いていて、多分僕はこの人に近いです。(みんな大好きㇷ゚ぺルでおなじみの腐るお金も出てくるよ!)

話を戻しますが、人新世の資本論に中の資本主義あるあるとして、「ありふれてるものでも独占して供給を少なくして悪稼ぎしがち」といったネタがありました。(表現はもっと堅い感じでした)

水道の民営化が例に挙げられてたと思いますが、僕は脳がファンタジーよりなのでよりSF的な設定が浮かびました。
酸素を集積する技術をもった悪の経営者が現れ、地球上の酸素を独占し酸素ボンベを高く売って、金持ちしか満足に呼吸ができず、貧乏人は常に軽い酸欠状態というディストピア。それでも貧乏人たちは「貴重な酸素を○○社が売ってくれるんだから、俺たちはなんとか生きていられる…」と感謝してる始末。しかし主人公はある日、かつての地球が酸素にあふれていたと知ってしまい…続きは誰か漫画にでもしてください。

ここでようやく話が戻せます。そう。ありふれてたくさんあるものを供給を絞って高く売る。ミクロな経営視点では賢い判断とも評価できるかもしれませんが、これがいかに人類全体を不幸にする可能性が高いかと伝えたかったんです。個々のプレイヤーが利潤のために動く結果、格差が拡大し、多くの持たざるものが本来ならタダでも手に入るようなものに、なけなしの出費をしなければならない。実際は競合他社との競争や独占禁止法の抑止力が働くので、酸素を独占するみたいなことは起きづらいですが。

NFTの数を限定することで高く売れてという部分にこの資本主義の負の側面の論理が含まれている。それがずっといやな印象与えていたということが分かりました。

もし軽く水をかければ無限に増殖する小麦やお米があったらあなたはどうしますか。少しずつ売って一生楽して稼ぎますか?全世界に分けてとりあえず人類から飢餓をなくしますか?

同じようにデジタルコンテンツはいくらでもコピーできます。インターネットはほぼ無料で膨大な情報が手に入ります。そんなネットとデジタルの世界にNFTはアンチテーゼとして現れ、新たな格差・既得権益を生もうとしているようにも見えます。クリエイター側にはそんな思惑ないでしょうが、投資家や運営側には何か酸素を独占して売るような思惑が見え隠れしている。「クリエイターがより生きやすくなるため」「デジタルコンテンツの価値を高めるため」なんて耳障りのいいスローガンを掲げながら、胡散臭さが匂っている。
ブロックチェーン自体は中央集権型ではない分散型管理で平等性公平性の高いシステムと言われてます。投資家の中には仮想通貨バブルに乗れず苦虫をつぶしたような思いをした人もいるかもいれない。ぽっと出の若造が仮想通貨で億りびとになるなんて…許せん!だったらそのブロックチェーンとやらに金の力で支配構造を生んでやろう!という輩がいたかもしれない。そんな思惑を持った人がいるのではと邪推してしまいます。

冷戦終了後の閉塞感漂う世界において、インターネットは硬直化した社会に新陳代謝を起こし、平等で公平な社会を望む人々の希望・フロンティアという側面もあったと思います。そんな開かれた自由な世界に、旧世界のような支配構造・利権を構築しようとする勢力が現れる。極端に表現するとそのような構図です。

大分妄想が先走ってしまいました。

まとめるとNFTは資本主義の負の側面である格差拡大や既得権益につながりそうな論理を孕んでいるということです。

しかしこれらの懸念はよく調べ考えると杞憂になりそうです。何故なら供給を絞るといっても、「金払ったアピ」できる人が絞られるだけで、データ自体はコピーもダウンロードもできるのが現状とのことです。更に著作権も含まれてるわけではないので、権利ビジネスヤクザに買われていきなり使用料を要求されたりするようなこともないようです。

そうなると益々大金を払って買う価値があるのでしょうか?
東京の水道水を限定パッケージでウン万円で売ってるようなものじゃないでしょうか?

現状あまり多くの人に普及する気がしません。なぜなら有名クリエイターと自己アピしたい金持ち以外に特に利用するメリットがなさそうですから。普及するとしたらNFTのメリットの項で挙げた③転売しても制作者に利益が入るの部分が何らかの形で普及するのではと思います。というかしてほしい。


著作権は人類の豊かさに貢献していない説

NFTの著作権についてもう少し詳しく見てみます。

NFTの購入者は、対象コンテンツを観るだけでなく、複製、配信、商品化等の様々な利用を期待している可能性があります。しかし、こうした利用の可否は、利用規約等に基づく各NFTの条件次第です。

プラットフォームごとで条件が違うようで通例みたいなものがない様子…。購入者側は著作権が含まれていると期待している?

こっちでは著作権がないと言い切ってます。なんだかまとまりがなくて今後揉め事が起きそうですが、とりあえず著作権含まれない方が主流のようです。NFTの話を最初聞いた時は、結局利権ヤクザが幅を利かせてクリエイターは泣きを見るんじゃないかと警戒しましたが、そこは大丈夫なようです。

さて、すみませんがここからはNFTは脇役になり主に著作権について思う所があるので語らせてください。

見出しにあるように著作権は人類の豊かさにそんなに貢献していないと思うことが自分としてはままあるのですが、あまりそう主張する人はいない。特にクリエイター側は全然いない。恐らく自分が守られる側と思い込んでいるからでしょう。まるで著作権教に入信してるが如く著作権に疑問や不満を持たない人が多いです。さらに最近ではYouTubeのコメントで既存のキャラに似たイラストがあったりすると「この動画著作権侵害じゃないか?」的なコメントが自分のチャネルや他の人のチャンネルでも見かけることが増えてきました。ちなみにそういうコメントする人はどんな動画上げてるのだろうと見てみたら、ウマ娘のプレイ動画を上げてて言葉を失いました…。過去の判例とか一切知らないし、著作権という言葉を覚えたての子供かもしれません…。

そこで著作権をガチガチに守った場合のデメリットを言わせて頂きたい。
ちょっと大げさですが、こんな展開もあるかもしれません。

もしチー牛イラストの作者さんが高く売れそうということでNFTでチー牛イラスト(複製、配信、商品化等含め)を売る。購入者はネット上のあらゆるチー牛画像を使っている人に使用料を払うか削除しろと通知する。ちなみに僕のYouTubeに上げているアニメも度々チー牛が出てくるのでそれらも非公開となる。
わざわざ使用料を払ってチー牛を使う人はいなくなり、ネットからチー牛は姿を消した…。

どうでしょうか。別にどうでもいい話かもしれませんが、ちょっと息苦さはあると思います。いやでも、たかがチー牛なんてどうでもいいだろうとお思いの方もいるでしょう。

では桃太郎にしたらどうでしょう。
桃太郎の作者の子孫が急にその著作権を行使しだしたら?どれだけのコンテンツが販売停止、非公開になるか?桃太郎はコントや漫才の定番ネタだし、ギャグ漫画などでも相当ネタにされてますし。とりあえず桃鉄は販売停止ですね。

これが著作権を厳密化した世界線です。現実にはこうなってません。著者不明の桃太郎は当然ですが、ドラえもんもサザエさんもアンパンマンも権利者ははっきりしているのに色々なネットの元ネタに使われています。同人誌のネタにされるジャンプ等の大手出版社も多くはグレーでありながらも黙認しています。何故野放しになっているか?予想の域を出ませんが、ひとつは自分たちのビジネスに影響がないと判断している。もしくはそういった元ネタに使われることで、コンテンツの寿命が伸びると判断し黙認している可能性があります。

去年ジブリが400枚の画像をフリー素材として公開しました。

「著作権を緩めて、みんなが使いやすい環境をつくらないと、(作品が)消えちゃう」「ジブリ作品は支えてくれた人、見てきた人のものでもある」

という真意があるとのことです。

アニメのキャラは代替可能性が極めて低い、NFTのNFにあたるNon-Fungibleな存在ですが、一度データがネットに公開されれば空気のようなありふれた存在となります。

話がつながってきました。ありふれていた酸素を独占して売る悪の経営者。ありふれたチー牛を独占する利権ヤクザ。
そんな世界は望んでいないとフリー素材を公開するジブリ(もちろん映画一本をフリーにするなんてことはないです。ちょろっと画像使うぐらいOKということ)

著作権をなあなあにして二次創作やパロディを許容することが文化の裾野を広げ、未来のクリエイターを育てていく。それがゆくゆく人々の心を豊かにしていく。ジブリなどはそこまで見据えているのかもしれません。

一方デ○ズニーなど海外は著作権にうるさいと聞きます。当然の権利を行使しているだけでしょうが、それが回りまわってコミックやアニメの供給不足につながり、日本に敵わないという現象になっているかもしれません。

もちろん漫画村などは言語道断ですが、著作権はある程度緩めに運用した方がみんながハッピーになるという微妙な権利ということです。厳格に運用すると世に出る作品数は減り、客も減り、クリエイターもひもじくなっていくそんな代物です。

物理的にオリジナル作品なんて作れない・全てはパクリ

著作権についてディスりましたが、著作権がないと商売上法務上色々困るので便宜的に設定しておくことは必要です。

ただクリエイターの中にはまるで印籠か錦の旗かのように振りかざす人もいてまして。そういう人にはこうも問いたくなってしまいます。その作品100%自分のオリジナルと言えますか?ということです。

僕自身色々創作活動していますが、100%オリジナルなんて有りえないと思ってます。

例えば音楽作品で100%オリジナルを目指したらどうなるか?
まず新たな楽器を開発します。独自の音階も必要です。歌にする場合、言語も新たに創作しないといけません。
やってられるか!!!!!!

つまりオリジナルと思われるものでも、既存の何らかの作品や文化をベースに色々な要素が複雑な化学反応を起こし生成される。元ネタの原型が分からなくなるぐらいよく混ぜて、そこに自身の人生経験や身体性を加えれば世間的には100%オリジナルとは言えるでしょう。ただ自分の遺伝子は唯一無二ですが、両親の材料を混ぜた両親のパクリでもあります。そもそも人間とチンパンジーの遺伝子は99%同じという説もあります。人間はチンパンジーのパクリです。つきつめると全ては何かのパクリ。パクリではないのはビッグバンを起こした神だけ。パクリの配分や材料が無限の組み合わせがあるのでオリジナルと言えなくもないというだけのことです。

そんな状況を自覚してるのかしてないのか、まるで自分がビッグバンを起こした神かのように著作権を主張するクリエイターを見かけると、なんと傲慢な…と思います。思うだけで特に絡みません。

僕は自分の創作活動で思ったりするのは、巨視的に見れば海苔たまご飯の海苔の位置をずらしている程度のことだということです。もちろんいかに斬新で食欲をそそる海苔の置き方に心血を注いでいます。近くで海苔を見ている人はとても興味深く見てくれています。
でも離れて海苔たまご飯を見ている人には違いが分かりません。

平成のおかんはプレステもWiiも全部ファミコンと呼び、ゲームキャラは全部マリオと呼んでいたはず。違いを説明してもさっぱり分かってくれない。興味のない人、海苔たまを離れている見ている人にはそのくらいの解像度でしか見てません。僕も坂道アイドルグループとか違いがよく分かりません。

何かオリジナル作品を作っても、そのルーツを辿っていけばビッグバンにいきついてしまう。そんな大きなスケールの視点だと海苔たまの海苔を動かすという例えすら大げさかもしれません。

そうなってくると、オリジナル作品で著作権収入を得たとして100%自分の口座に入るのはどこまで正当性があるのか。作品の中身によるとは思いますが、明らかに別作品のオマージュ等がある場合など、100%もらうのはちょっとだけ抵抗感があったりなかったりしませんか。そりゃ100%もらっていいならもらうけども。数パーセントなら元ネタに還元したくなりませんか?

理想はAIによる細かな複雑な利益分配

最後にこれまでの話を踏まえて、割と実現可能性のある理想のイメージを書きます。

YouTubeでカバー曲でアップした場合、収益を共有するという機能があります。

細かい数字を見たことなかったんですが、7割以上元の著作権者に取られちゃうとは知りませんでした!

これはAIが自動で音声を解析して一致度を出しているようなんですが…

疑問として何故音楽著作物だけ適用されているのか?本来なら音楽だけじゃなくあらゆる著作物、写真やイラストやキャッチコピーなど収益をシェアすべきなのではないでしょうか。単にAIにとってメロディの認識がしやすいだけかもしれませんが。

ただ現在加速度的に進化しているAIの技術なら、あらゆる著作物に適用されるのも不可能な話ではないと思います。

具体的にこのクソアニメでどうなるか考えてみます。

もしこの動画で100万円の収益をが発生した場合。
えんとつ町のプペルの替え歌を歌っていて、それが大きなフックとなっているので30万ぐらい作詞作曲者に払われるかもしれません。1:01ぐらいにヒロアカっぽいキャラのイラストが出てくるので2万ぐらい集英社および堀越先生に行くかもしれません。

といった具合にAIが自動で画像や言語を解析し、元ネタと思しき権利者に分配する。こいういった機能を僕は求めています。AIはあくまで通知と数値を提案するだけで、最終決定は人対人の交渉にはなると思いますが。

恐らくゲーム会社は賛同すると思います。YouTube上の話だけですが、音楽はカバーしたら7割以上持っていかれるのに、ゲームは実況してもゲーム制作者に一銭も入らないというのはあまりに不公平です。どちらも収益の半分ぐらいの分配が妥当じゃないでしょうか。
やったことないですがエイペックスとかすごい額になりそうです。

このような設計はYouTubeだけでなくあらゆるプラットフォームで適用されるようになってほしいです「ピクシブにアップしたイラストが勝手にTシャツにされてメルカリで売られたので小銭入った」「質問に答える形でGithubに書いたソースコードがコンシューマーゲームに使われ大儲けした」ということが起きるまでになってほしい。絵師はお金が入っても勝手にグッズ売られるのは嫌という人のが多いとは思いますが、プログラマーは有志で上げてる人も多いのでもっと還元したい気持ちになります。

そうなったら、いらすとやが一番稼ぐイラストレーターになるかもしれせん。ヴィ゛エ゛を作ったバーバパパさんもヒカキン効果で相当の収入が入ったかもしれません。ヤバいクレーマーのSUSURUTVを作った人もちょっとしたボーナスが入るでしょう。

ゲーム実況だったりオリラジ中田みたいに本を紹介したりといった人たちは収入が減る見込みなので反対するかもしれません。でも歌ってみた系が半分以上取られてるとなると、今までが濡れ手に粟だったのかもしれません。

それはあらゆるコンテンツが網目状につながり、熱帯雨林の生態系のような複雑なお金の流れのつながりが構築されていくでしょう。

そのような世界の実現のためには

NFTの転売しても発行元に利益が出る機能は重要だし。

作者認証も大事。

供給を絞って利己的になるのでなく。

著作権を緩めに運用し二次創作も活発にし。

収益が出たらしっかり分配してもらう。

以上のことが必要となってくるでしょう。

オリジナルだと思った自作品の収益が元ネタに吸収され取り分が減りつつも、別の自作品が誰かの元ネタになり勝手にお金を稼いでくれる。
自分の作品が数多ある巨大作品群の中のほんの一部。海苔たまご飯の海苔をずらす程度だと知る。
でもその海苔たまで他の人に元気や勇気を与えたり一生の思い出を作ることもある。
クリエイターとはそういうものではないでしょうか。

ちなみにクリエイターという言葉を散々使ってきましたが、気取ってて個人的にはあまり好きじゃないので僕は「下品な歌作るおじさん」と呼ばれた方がしっくりきます。

最後に自作のクソゲーがYouTubeのAIにドラクエだと認識されているスクショを貼らせていただき、ゲームひとつをとっても収益の分配なんてまだまだ先が長いと嘆いて終わりにします。

画像1


無職(2019/10/01~)のポッティにご支援お願いします。