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【教員紹介】メディア業界からの転身(兼清慎一)

みなさん、こんにちは。「3枚の写真」と共に地球市民学科・地球市民学部の教員を紹介するシリーズ、今回は、ことし4月に着任した兼清慎一です。「地球市民とメディア」「地球市民と社会(次年度以降)」などの科目を担当しています。

プロフィール

大学卒業後、25年間、NHKに勤務しました。記者として入局し、福岡局で事件・事故の取材を経験したあとは、主に経済・国際関係の取材に関わり、海外特派員や報道番組のキャスターやニュース番組の編集責任者などを経験しました。

2015年にNHKを退職し、八ヶ岳南麓に移住しました(経緯は後述します)。それを機に、山梨県立大学国際政策学部の教員に迎え入れていただき。9年間在籍しました。2020年からは大学院生として、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)知識科学研究科で文化人類学がご専門の伊藤泰信教授に師事して学んでいます。

トピック①NHK記者時代に学んだこと

大学時代にいちばん読んだ本です

高校時代にNHK元記者の柳田邦男さんの本に感動して、テレビ局での報道という仕事を意識するようになりました。大学時代には沢木耕太郎さんの本にはまりました。旅をする、人の話を聞くという仕事に憧れるようになりました。沢木さんが会社を初日で辞めたエピソードに衝撃を受け、留年しましたが、1990年にNHKに入局しました。

国内外の事象を追いかける記者の仕事はスリリングでした。ドイツとイギリスに駐在した4年間では、ヨーロッパ・中東・アフリカを中心に42か国を訪れました。初めて訪れる国の空港に降り立つときの緊張感とワクワクは忘れられません。失敗もたくさんありました(ナイジェリアで取材中に一時拘束されたり、決算の数字を間違えてアナウンサーの方にお詫び訂正していただいたり。ほかにも多々あります)。取材現場でも、わからないことばかりでした。「教えてください」とお願いしてまわるのが仕事でした。そして、誰かが助けてくれました。

NHKでの仕事から学んだのは、助ける/助けられるという営みのありがたさと難しさでした。このことは、今の研究テーマにもつながっています。

トピック②あこがれの山暮らし

ブックカフェとゲストハウスを開くつもりで建てました

20回以上、引っ越しを経験していますが、大都市ばかりで暮らしていました。人生で一度は自然の中で暮らしたいという思いから、2015年、NHKを辞めて八ヶ岳南麓の山梨県北杜市に移住しました。ブックカフェとゲストハウスを開くつもりで家を建てました。家の中から南アルプス、八ヶ岳、富士山を望む絶景。星がこぼれ落ちそうな夜空。クーラーより涼しい夏の風。薪ストーブの炎。かけがえのない体験でした。

もちろん、たいへんなこともありました。薪集め、雑草との戦い、キツツキの攻撃。自然はこちらの都合に合わせてくれません。カフェとゲストハウスも開きませんでした。ゲストを受け入れようという段階になって、人をもてなすのは、自分には向いていないことに気づきました。

でも、チェーンソーで丸太を切れるようになりました。薪割りも上達しました。どの野草やハーブが食用・飲用に使えるのか、どの季節に何が自然界に起きるのか、少しはわかるようになりました。

トピック③美しく清潔なキャンパスにびっくり!

こんなに美しいキャンパスで働けることの幸せをかみしめています

清泉女子大学に着任して驚き、感動したのは、キャンパスの美しさです。重要文化財の本館やお庭の美観もさることながら、キャンパス全体が清潔で、黒板も廊下もピカピカなのです。どなたかが掃除してくださっている姿をいつもあちこちで見かけます(ありがとうございます)。キャンパスが学生にとって少しでも心地よい場であるように、という愛情にあふれていると感じます。

清泉女子大学には、このほかにも学生への愛情を日々感じるポイントがたくさんあります(広報課の窓にあるひとことメッセージ、手づくりのカフェのピザとケーキ、警備員さんの見回りと声掛け、有能な助手さんの完璧な事務処理、学部生全員と面談してくださる青木さん・内藤さん・三宅さん、学科の教員の会議での妥協しない感じなど)。愛情は目に見えないものですし、カリキュラムにも示されていませんが、学生の成長を見守り育む大学という場所において、なによりも大切なものだなと実感する毎日です。