離婚への道程 八

七を書いた後に思い出した事。
結婚式の三次会で、J君という中学時代の同級生が隣の席になった。J君の家は同級生のたまり場みたいになっていて、よく元旦那も入り浸っていた。
「おめでとうね。まさか結婚するとは思わんかった〜」と酔っぱらいの顔で話しかけてくれ、「ありがとう。私もまさかなんだけどね〜」と返事。すると「いやぁ〜俺が女だったら…うん。あいつとは結婚せんかな笑。だって、やびゃーたい色々と。ねぇ?」 
いや、ねぇ?て言われても…。めちゃくちゃ解るけどw
「俺の家に来たときも、シカちゃんに電話して色々言いよるの聞こえるとたい。同じ部屋の中だし聞こうと思わんでも耳に入る距離だけん、盗み聞きじゃないけん許してね。いやほんと、あんなメチャクチャな事言うやつとよう結婚までしたね〜て、思う」
二人、目を合わせて無表情で一瞬黙った後
私「こういう事はさ、、、籍入れる前に言おうかwwwwwwwっw」
J「それ思ったwwwwwww」
と何故か腹抱えて爆笑していた。ええ。笑い事じゃないんですよ。
でもJ君、貴様の言ったことはリアルに本当でしたよね。わかります。


結婚式の次の日

式の後は二人でホテルに一泊。朝1で実家に行くと、両親の手によって私の荷物が玄関の周りにまとめて置いてあった。それを車に積んで旦那家へ運ぶ。そんなに量がなかったので、移動は一回で終了。
旦那の部屋を片付けて私のものを押し込んで終了…の予定が、なかなか納まらない。旦那の部屋、前もって全然片付けてない。全然終わらない。

実は昨日からずーっと脱肛していた私の門。式の間もきつかったけど、朝はちょっと歩くのもしんどいくらいの痛みだったのが、片付け作業をして夕方になる頃には動けないほどの激痛に変わっていた。妊娠7ヶ月に入り、お腹もだいぶ大きいので買い物も休み休みじゃないと息切れしてきつい。痛いしきついから一回休みたいと訴えても「肛門が痛いくらいで何?今日しかこういう時間ないんだけん」と軽く無視。買い物に行ったホームセンターで599円の円座を買い、車に乗る時に装着。あまり痛みは変わらない…。

買い物を済ませ、家に戻って部屋の片付けの続きをしていた時、台所の床に落ちていたはがきを拾おうとしゃがんだら、急に目が回りだしてキーーーーンと耳鳴りがした後、脳をなにかに掴まれたような感覚に陥り、床に倒れたまましばらく動けなくなった。「たすけてー」と一生懸命かすれた声を出したんだけど、部屋から顔だした元旦那は「おいサボるなよ。どこに寝とっとやきたねー」と言って片付けに戻った。

いやオイ…。サボってるんじゃなくて動けんとたい。と言いたいけど口にも力が入らない。たぶん貧血だなぁ…いやもしかして脳がどうにかなったんだろうか…このまま死ぬんだろうか…と思っていた時、掴まれてた脳がじわじわと開放されたようになり、やっっと起き上がることができた。

まだ頭がぼーっとするので座っていたら「だけん、動けって!!!妊娠しとるけんて甘えんなよ!!」と怒鳴ってきた。お前の荷物が片付いてないんだろうが!!!とイライラしながら無言で黙って立ち上がって部屋の片付けに戻った時、義母さんが帰宅。そして台所を見て「何この血!!!!!シカちゃんの!?ちょっと!孫は大丈夫!?」と叫んだ。
台所を見ると本当に血が擦れたように床に付いていて、血の気が引いた。トイレにいって確認するとたしかに出血している。日曜日だったけど急いで病院に電話をしたら、すぐに来てくださいと言ってくれたので行くことになった。さすがのヤツもちょっと慌てていた。


産婦人科夜間外来

車に乗る時に気づいたけど、助手席のシートに血がいっぱいついていた。一体いつから出血してたんだろう…。産院に到着してインターフォンを鳴らすと、当番の助産師さんが出てきた。薄暗い受付を通り抜け、歩きながら、出血は続いてるか・お腹は張ってないか等といろいろ問診しながら処置室に入り、あの恥ずかしい椅子に座ってウィーン・・・・と患部をさらけ出した。
うん。しっかり肛門が出てる。肛門から血出てる。うん、これは痛いね」と、助産師さん。そして手袋を着けた指で「よいしょ!」と言いながら出たものを中に押し込んでくれた瞬間、昨日から続いていた痛みがスッと消えた。
一応心音とエコーも見ときましょうか、とモニターで確認。元気にウゴウゴしていました。ホッと一安心。「肛門なのに大騒ぎしてすみません…」と謝ったら「何ww大丈夫!こういう人けっこういるから。出血は慌てるよね。これが病院の仕事だから気にしないでいつでも電話して!大丈夫な出血かどうかをちゃんと診とかないと、大丈夫じゃない時もあるんだけん」と助産師さん。天使…。

帰りに「また飛び出したときはさっきみたいに押し込んでね」とゴム手袋を数枚と、さっき使った残りのボラギノールみたいなチューブ薬を優しく手渡された。「今日はもう時間外だから薬を処方できないので、もしもっと必要なら明日にでもチューブ薬取りに来てね」と言って下さったけど「あ、痔のやつですよねこれ?父のがいっぱいあるから大丈夫です!」と断った。

病院をでて元旦那が待つ車(ビビリなので病院内へは付き添わない)へ乗り込んで「やっぱり肛門からだって。赤ちゃんは元気だった」と言うと安心したのか「ハッ。肛門だけや!?大げさねぇお前。肛門から出血で病院てwwwwここ産婦人科ぞwww肛門科いけよwwww」と爆笑していた。
さっきまで青ざめてた人どこいった?
お前の肛門も引っ張り出してやろうか。
でもそのとおり、肛門の破損で産婦人科の時間外に飛び込んでしまった事はたしかにおかしい。出血で緊張していたのがほぐれ、私も笑ったw。
そして出血で忘れていた。脳を掴まれたようになって倒れたことを。


このようにして、結婚生活がSTARTいたしました。

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