離婚までの道程 参

数日前に娘からの伝達で知りましたが、元旦那が再婚されたそうです。おめでとうございます。

すごい束縛、一方的な喧嘩

付き合い始めて半年がすぎる頃、二人きりのときには完全に元旦那の支配下に置かれていた。無駄なことを言わない・聞かない・考えない。どこかへ行くときは1歩どころか3歩下がってついていく。しかし面倒な手続きなどは私が5歩くらい前に出て率先してやる。何があっても毎日会う。友達と遊ぶときには元旦那の許可必須。

しかし根がおてんばな自由人なもんで、そんな大和撫子に完全に染まることが出来ない私は、ちょいちょい隙きを見てなんとか飛び立とうと試みる。でもバレて怒られる。この繰り返し。


【元旦那の束縛リスト】

●男の話はしない。職場の人間・昔からの友達はもちろん、親族であろうと関わらない。
→父・弟・じいちゃん・従兄弟と関わらないのは無理だから無視。職場も監視されてるわけじゃないので無視。男友達はほぼ福岡にいたのでよっぽどのことがない限り会うこともないしセーフ

●男の連絡先は消せ。
→誰から連絡が来たかわからないほうが電話をとってしまうので、名前を女の子っぽく改変して消去はしない。

●友達に会う時は行き先・時間等を決めて事前に許可を取る。会い終わったらすぐ元旦那に会う。または、俺が友達の家に行ってるときに行け。
→事前に許可取ろうとしても絶対OKが出ない事を学んだので、当日の時間直前急に呼ばれたことにして出かける。時間は一応決めるけど絶対実現不可能な設定ぶち込んでくるので(温泉→2時間/御飯→1時間 等)守れたことは無い。得意な言い分は「私が運転していってるわけじゃないから、みんなが楽しんでるのに帰ろうとは言えない」
元旦那が友達の家から帰る時間までに家に帰ってないと怒る。何時に帰るかなんか連絡無いのに、家にいないことを知ると「なんで帰ってないと!?男とおるんだろ」と言って家まで車をぶっ飛ばしてやってくる。

●残業するな
→それは無理。仕事残して帰って損害出ても払えないくせに何をいってる。無視。

●美容室行くな/化粧するな
→「俺という彼氏がいるのに、なんできれいにする必要があるのか?」というのが言い分。そういう問題じゃないっていうのが分からないようだった。なので髪は伸びっぱなしのロングヘアーが基本。化粧は、二人で会う時にはほぼすっぴん。仕事後に会う時は風呂に入って全部落としてから会う。突然仕事場に迎えに来た時は化粧してることがばれないか常にヒヤヒヤしていた。化粧品買うのもコソコソ。

●俺と居る時に電話に出るな、するな、携帯を見るな
→俺に集中しろということらしい。おかげさまで、今も誰かといる時に携帯の画面を見ることが怖くてできません。


…その他にもたくさんあったと思うけどもう忘れました。とにかく息苦しくて不自由なことばかり。


なぜ別れなかったのか

一番の理由は「怖いから」
たぶん完全に洗脳されてる状態だったので、何を言われても何をされても私が悪いからだとその時は思っていた。元の自分ってどんなだったんだろう?と良く思っていたけど、思い出せないくらい頭の中にモヤがかかったような感じで「考える」という行動がうまくできなくなっていた。

あと、こういうモラモラ束縛モードじゃない時は一緒にゲラゲラ笑うこともあったりもしたからというのもある。でもこんなの一緒に過ごした時間の15%くらいにしか満たないんだろうけど。
「あんなだけど、優しい時も楽しい時もあるんだよ」という完全にDV受けてる人の思考だったなあと今なら解るけど、その時は全然わからなかった。

一度、向こうから別れようと言ってきたことがある。毎日毎日喧嘩が起こり(喧嘩と言っても一方的に怒り出して最後は私がよくわからんけど謝るというルーティーンだったんだけど)疲れ果てていた。

二人で温泉に行った帰り道、ラジオから奥田民生のイージューライダーが流れ、奥田民生ファンだった元旦那と熱唱していた。しかし私はうろ覚えだった。元旦那が途中で急に黙り込んだと思ったら
「オイ。そこのサビの最後のとこ、ずーっと音程上げて歌いよるけど、最後のサビの時しか上がらんけん。何回も何回も間違えるなようろ覚えで歌うな!」
と、突然怒りだして「うっとおしいここで降りろ。歩いて帰れ」と言って田んぼの真中で降ろされた。「えええ〜?音程違うだけで乗車拒否されちゃったよ〜」とちょっと心のなかでは驚きつつ笑ってたけど、一応しょんぼりした顔して貴重品が入ったバックだけ持って下車した。
バゥーーーンと爆音を立てて急発進してあっという間にいなくなった元旦那。真っ暗な田舎道でポツンと立ちつくす私。さて、どうしよう。車持ってる友達に電話して迎え来てもらおうかな…でももう10時過ぎてるし申し訳ないな…。と、auナビウォークのアプリを開いて、一番近いJRの駅を一生懸命探していた時、元旦那から電話がかかってきたのでうっかりボタンを押して通話になってしまった。こちらがもしもしと言う前に
「ごめんなさいってそっちから電話してくるのが普通じゃねーの!?アァン!?なんで俺に掛けさせる!?」と怒鳴られた。
さすがの私もアッタマきて無言を貫く。「もしも~し!?」の声を黙って聞きながら遠くを見ると、猛スピードでこちらに曲がってくる見覚えある車が見えた。私はとっさに土手を降りて身を隠し、目の前を通り抜ける旦那を確認して電話を切る。またすぐかかってくる。電話には出ずに周りを警戒しながら暗い夜道を歩き、30回位不在着信が溜まった頃電話に出てみた。すると
「グスッグスッ(泣)やっと出てくれた…死んだかと思った…」「どこにおる?俺が悪かったけん車に乗ってください御願いします」とお願いされた。私もこんな場所が不明確なところにいつまでも居たくなかったので了承して場所を伝えた。

車に乗るとヘラヘラ顔で「んじゃ、今からどこに行く?」と聞かれたので「家に帰る」とだけ言うと、まためちゃくちゃ不機嫌になっていたけど無視。家につく頃には「お前のせいで無駄にガソリン使う羽目になった。俺が心配して電話したのに出らんし何考えてんの?」と降りろと言った本人が偉そうに怒っていたので、目をみて無表情で「すみませんでしたね」と言った。
すると、とうとう「ていうか何が悪くて謝るのかわかってないだろ?もうええよ別れよう」と言ってくれた。私は「うん。そうしよう。今までありがとうねー」と言って車を降りて家の方に歩き出し、その後ろでまたまたバゥーーーンと爆音を立てて急発進する元旦那。その爆音が遠ざかったと思ったらまた近づいてきた。こんな夜遅くに爆音立ててマジ近所迷惑恥ずかしい…と思いながら、見つからないように垣根の裏に隠れた。そしてまた電話がなる。

電話の向こう&すぐそこで「お前ってその程度だったんだな!!こっちが別れるって言えばハイワカリマシターて言えるくらいの愛情しかなかったんだな!失望した!!こんなの認めんけん俺は!!!絶対別れんけん!!!出てこいよ!!!」と叫んでいた。夜遅くに大声出してる事があまりにも恥ずかしくてすぐ飛び出た。すると元旦那も車から飛び出してきて、私の胸ぐらを掴んでオラオラとメンチ切って来やがった。私は怖いとかどうしようとかそういう気持ちがスーッと覚めるのを感じて「殴りたいんだろ?さっさと殴れよ。その代わりやったらどうなるかわかっとるよね」とだけ言った。
元旦那は悔しそうな顔して手を離すと、近くにあった「駐車禁止」の看板をバッコンバッコン蹴り出した。私は全てが面倒になって、ぼーっとそれを眺めていた。なかなか倒れない頑丈な看板にはかなわないと思ったのか、けるのを止め「とりあえず別れるのは無しね。このまま簡単に別れられると思われたらたまったもんじゃない。一生別れんけん覚悟しとけよ」といって帰っていった。
私は膝から力が抜けて、座り込んだ。30分後くらいにまた電話がかかってきて「ごめんね取り乱して。俺はシカがおらんと生きて行けんけん。本当にごめんねこれからもよろしくおねがいします」と泣きながら謝ってきた。「あんなふうに胸ぐら掴むとか、看板蹴るとか見苦しいけん二度とせんで。2度めはまじで無いけん」とだけ言い、許すとは言ってない。でもここで別れる主張するのはまた爆音立ててやってきそうで怖くてできなかった。


こういう同じようなやり取り(看板蹴ったり胸ぐら掴んだりはない)の繰り返しが数え切れない程あり、私は自分から頑張って別れるということを考えないようにして、諦めてしまった。


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