術後3日目〔1ヶ月9日〕

*過去の自分のブログの転載です。

🍀🍀🍀

<2011/12/12 mon>

生後39日。

今日も14時に面会へ。

ICUの入り口でインターフォンを押すと、「今、手術後の患者さんが来るのでちょっとお待ちください」と言われ、待つ。

看護師さんが呼びに来てくれ、14時20分から面会。

今日も熟睡の娘ちゃん。

見た目の変化はないなと思っていたが、血漿の輸血がなくなっていた。

点滴は12本。

心拍は150前後、血圧は70/30、サチュは78~80くらい。

酸素は聞き忘れたけどたぶんまだ60%。

またもや初めて見る先生からの説明。

感染の数値が跳ね上がったと言われた。

痰も増えているし、もしかしたら肺炎かもしれないがまだわからない。

血液検査や痰を調べたりしてこれから原因を特定させる。

そろそろ人工呼吸器からの離脱を目指して酸素を減らし自発呼吸を促す予定だったが、あまりに急激に感染値が上がっているので無理はせず、まだしばらくは様子を見る。

心臓そのものは問題なく血液もよく流れている。

だそうだ。

もっと何か言われた気がするけれど、あまり覚えていない。

肺炎?

肺炎になるとはどういうことなのか、命に関わるのか。

知識がなくてよくわからない。

ただ、いいことでないことはわかる。

まだ肺炎と決まったわけではないけど、感染の値が上がったということは体の中に何かしらのバイ菌がいるということ。

こういうことがあるということはわかっていた。

でも凹む。

今まで娘は常に状態が落ち着いていて、悪くなるということがなかった。

出産時はそれなりに危機的状況だったかもしれないけど、NICUのある病院に搬送されてからも、今の病院に転院してきてからも、悪くなったことは一度もない。

心臓のことについては暗い話をたくさん聞いていたが、それ以外のところで悪い話が出てくるとは思っていなかった。

いや、わかってはいたけど考えないようにしていたと言った方が正しいかな。

なので今回はかなり凹んだ。

娘のほっぺやおでこを撫でながら、「娘ちゃん、バイ菌に負けるな。アンパンチでバイ菌を倒しちゃえ。頑張れ、頑張れ」と話し掛けた。

平静を装っておどけながらそう言ってるけど、頭の中は動揺しまくり。

「娘ちゃん、頑張って。まだだよ。娘ちゃんはまだ何にもしてないよ。何にもしてないんだよ…」

自分の口から思わず出た言葉に涙がにじんでしまった。

いかんいかん。

気を取り直して、何もついていない太ももあたりをトントンしながら歌を歌った。

いつも息子に歌ってあげている『どんぐりころころ』の替え歌。

娘ちゃん娘ちゃん大好きよ
世界で一番大好きよ
宇宙で一番大好きよ
父ちゃんと母ちゃんと兄ちゃんの宝物

字余り。

今日はお口がムニムニ、手がモゾモゾ。

歌を歌うとお口がムニムニして、まるで笑ってるみたい。

目も開けようとしてるのか、左目だけ少し薄目に。

母ちゃんを見ようとしてくれたのかな?

嬉しいけどそんなに急がなくていいよ。

ゆっくりゆっくり。

「クリスマスが」とか「お正月が」とか贅沢は言わない。

いつになってもいい。

必ず、必ず一緒に帰ろう。

14時の30分間は終わり、ロビーで時間を潰して16時の面会。

なんとなくなったはずの輸血が復活していた。

しかも普通の赤い血液のやつ。

まあ仕方ないよね。

今日2回目の面会なので先生も来なくて、ひたすら寝ている娘ちゃんのほっぺを撫でながら寝顔を眺める。

そして歌を歌う。

上の子がいてよかったよ、歌をいっぱい覚えられたから。

抱っこしたいな。

おむつを換えたいな。

ミルクを飲ませたいな。

このまま連れて帰ってしまいたいな。

連れて帰ってどうする、と自分にツッコミ。

なんかもう胸がいっぱい、涙腺がいっぱい。

こんなに可愛いのになんでこんなところにいるんだろう。

こんなに可愛いのになんで一緒にいれないんだろう。

こんなに、こんなに可愛いのにどうして?

娘ちゃんに歌を歌いながら頭の中はグルグルグルグル。

ダメだ、今日は落ちてる。

30分の面会時間も終わり、「また明日ね」と言って退室。

実家に帰るまでには気持ちを切り替えないと。

娘ちゃんは大丈夫。

大丈夫。

頑張れ、母ちゃん。

頑張れ、娘ちゃん。

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