術後9日目〔1ヶ月15日〕
*過去の自分のブログの転載です。
🍀🍀🍀
<2011/12/18 sun ☀>
生後45日。
今日も息子を連れて病院に行き、14時は母ちゃん一人で面会。
すぐに呼ばれて中に入ると、なんだかICU内がガランとしてる。
なんと娘ちゃんの隣と向かいのベッドの子がいなくなり、隅っこに娘ちゃんだけがポツンといた。
隣はベッドごと移動したようで、何もない。
隅っこは落ち着くけどさすがに寂しい。
娘ちゃんはおめめパッチリで起きて待っててくれた。
すぐに執刀医S先生が来て説明。
炎症反応は順調に下がってきているが、どうやら点滴漏れの足から出た反応だった模様。
足が少し膿んでいて、その膿を培養したら血液から出たバイ菌と同じようなのが出た。
すっかり同じではないので断定は出来ないが、どうやらここからの感染だったようだ。
だんだん落ち着いてきているので大丈夫だと思う。
呼吸器も外れて元気も出てきてるし、いい傾向。
…とのこと。
肺炎とかじゃなくてよかった。
足の状態は見れないけど、問題ないといいな。
今日は少し薬が効いているのか、起きているけどおとなしい娘ちゃん。
じっとこっちを見ているので、にっこり笑顔で褒めてきた。
やっぱり右手がフリーなので手を握って、ほっぺの隙間を撫で撫で。
そこで思い出した。
爪切りを忘れた。
左手は点滴が刺さってて布で包まれているから見えないけど、右手は結構爪が伸びている。
昨日爪切り持ってこなきゃと思い、せっかく今日持ってきたのに車に忘れた。
アホ!
16時の面会の時に父ちゃんに頼もう。
でも爪が伸びている、そんなことが生きてる証みたいで嬉しい。
しばらく娘ちゃんに顔を寄せて話し掛けたりしていると、ふと気付いた。
胃まで入れてるチューブに何か白いものが。
…まさか、ミルク?
とか考えていると、タイミングよくM先生登場。
なんとミルクを注入したと。
すご~い。
今日のお昼からで、最初は10cc。
問題ないみたい。
わ~い、嬉しい。
「お母さん、母乳はありますか?」と。
うっ……。
最近搾乳をサボりがちで、精神的なものも手伝ってほとんど出なくなってしまったのだ。
ごめん、娘ちゃん。
母ちゃん出来るだけ頑張るね。
NCPAPはまだ使ってるけど呼吸に関しては順調らしく、念のためもう少し着けておくらしい。
酸素は変わらず25%。
先生がいなくなってから「ミルクもらったの?よかったね。美味しかった?」と娘に話し掛けたけど、よく考えたら胃までのチューブなんだから味はわからないよね。
まあ、気分気分。
母ちゃんの指をギュッと握って、母ちゃんの目をじっと見ながら、母ちゃんの話を聞いている娘ちゃん。
母ちゃんはもう、それだけで涙が出るほど幸せよ。
だんだん目がトロトロしてきたので、太ももをトントンしながら子守唄を歌うと寝てくれた。
可愛い。
ちょうど30分経ったし寝てくれたので、そのままICUを出ることに。
ギュッと握ってくれていた手を離すのは切ない。
「次は父ちゃんが来るよ」とささやいて退室した。
時々自分のこの状況を一歩引いて見ている自分がいる。
まるでドラマかドキュメンタリーみたいだ、と。
ドキュメンタリーはどこかの誰かの現実なわけで、日本のどこかにそういう家族がいることはわかっていた。
そして自分がその当事者になる可能性がないとは限らないこともわかっていた。
でもやっぱりどこかで「なるわけない、私は大丈夫」という考えもあって、そうでなきゃ子供なんて怖くて産めない。
『どこかの誰か』だったはずが、そのどこかの誰かさんが今私の周りにはいっぱいいて、さらには私自身がどこかの誰かさんになった。
どこかの誰かの現実は、私の現実になった。
まだ完全には受け止めきれていないのだろう、時々非現実的な感覚に襲われる。
私ってばドラマみたい…。
そう思う時がある。
まだ1ヶ月半。
娘と24時間向き合ったこともない。
一般病棟に移れたら今度は絶対に付き添いをする。
そして娘ときちんと向き合って、現実として受け止める。
母親なんだから。
16時の面会は今日も父ちゃん一人。
娘ちゃんは起きて目をパッチリ開けて待っていてくれたそうだ。
嬉しかったけど、逆に切なかったと。
私が行ったときは眠かったのか、起きていたけどおとなしかった。
でも父ちゃんが行ったときは顔を真っ赤にしてジタバタ暴れていたらしい。
まるで「苦しいよ。ヤダよ。動きたいよ。抱っこしてよ。父ちゃん、助けてよ」と言うかのように…。
「俺は寝てるときの方がいい」と父ちゃん。
気持ちはよくわかる。
娘が大きな目でこっちをじっと見る。
何かを訴えるかのように。
苦しくて切なくて辛い。
ごめんね、ごめん。
それしか言えない。
頑張って、頑張って娘ちゃん。
愛してるよ。