◆アスピリンとインフルエンザ◆

*過去の自分のブログの転載です。いつもの流れとは日付が飛んでます。
今回は10年ほど前、息子は幼稚園年中、娘はまだ1歳でフォンタン手術前のグレン循環の時期に書いた内容になります。

🍀🍀🍀

今朝幼稚園の掲示板には『インフルエンザ11名・水痘2名』と書いてあった。

来~た~~~~~っ!

しかもすぐ近くの小学校では学級閉鎖も出てるらしい。

そんなわけで娘ちゃんの闘病記録雑学編。

今回はアスピリンと感染症、主にインフルエンザと水痘(水疱瘡)について。

娘ちゃんが今飲んでいる薬は4種類。

2種類は利尿剤、1種類は心不全の予防薬、そしてもう1種類が今回のテーマのアスピリン。

血液サラサラ薬として服用してるわけだが、そう簡単な話ではなく。

しばらく前にサークルでもスレが立っていたけれど、薬はみんな利用法によっては毒にもなるってこと。

今回も前回に引き続き素人の私が調べたり聞いたりしたことを私が解釈した範囲でまとめるので、間違いもあるかもです。

鵜呑みにはしすぎずにお読みください。

***

<アスピリンとは>

詳しいことはよくわからないが薬には大体名前がいくつもあって、アスピリンは「アセチルサリチル酸」ともいう。

成分名ってことかな?

一般的に知られている効能は「消炎解熱鎮痛剤」。

要するに①炎症を抑えて②熱を下げて③痛みを鎮めてくれる薬。

半分は優しさで出来ているあの有名な頭痛薬は、半分以上がアスピリンで出来ている。

アスピリンは胃など消化器系に良くないのでそれを防ぐための成分が入っていて、どうやらそっちが優しさのようだ。

半分以下だけどね。

とは言え娘ちゃんに消炎解熱鎮痛剤は必要ない。

じゃあなぜ飲んでいるかと言うと、アスピリンにはもうひとつ「抗血小板剤」としての顔がある。

血液中の血小板の働きを抑えて血栓を作りにくく=血液をサラサラにするのだ。

娘ちゃんの心臓には現在人工血管などは入っていないが、切ったり縫ったりした箇所があり健康な人よりは血栓が出来やすい。

さらに冠動脈には狭窄していて詰まりそうな箇所があるので血栓は大敵。

さらに血栓が脳に飛ぶと(飛ぶってよく言うんだけど、実際は流れていくと)、脳梗塞の危険性も出てくる。

そんなわけで心疾患児は大体何かしらの血液サラサラ薬を飲んでることが多くて、娘ちゃんは今アスピリンを飲んでいる。

ただしアスピリンが抗血小板剤としての顔を見せてくれるは、少量を服用した場合だけ。

難しいことは省くが、鎮痛剤くらいの量を服用してしまうと逆に血栓が出来やすくなるそうな。

これは『アスピリンジレンマ』という有名な現象らしい。

ふっしぎ~。

いや、ちゃんとした化学的な理由があるらしいけどね。

なので血液サラサラ薬として使用するには極少量でよいのだ。

効かないから増やすのはこの薬については間違い。

あっ、頭痛薬として使う場合は知りません。

血液サラサラ薬としては他に『ワーファリン』が有名で、娘ちゃんもシャント手術→グレン手術までの間は服用していた。

一口に血液サラサラ薬と言っても血栓への作用の仕方が違うので、ワーファリンもアスピリンも他の血液サラサラ薬も厳密に使い分けられているらしい。

ワーファリンについてはまたいつかまとめるかもだが、今は娘ちゃんが現在服用中のアスピリンの方が私にとっては重要なので、今回は割愛。

さてこの娘ちゃんにとって大事なアスピリンはインフルエンザや水痘に感染してる間に服用していると、まれに『ライ症候群』という怖い病気を引き起こすことがある。

<ライ症候群とは>

小児の急性脳症のひとつ。

急性脳症の症状に加えて、肝臓の脂肪湿潤を引き起こし、生命にも関わることのある原因不明で稀な病気。

発症は稀なんだけど、発症すると死亡する確率は高い。
(現代では救命率は高まってるらしいが…)

原因不明ではあるが、インフルエンザや水痘に罹かったときにアスピリンを使うと発症することが多いとされている。

そのため現在では一般的な小児用の解熱剤にアスピリンを使用することは禁止されていて、半分が優しさの例の薬も小児用にアスピリンは使われていない。

ようするに『インフルエンザ or 水痘+アスピリン=ライ症候群』という単純な図式ではないが、確率は高まると。

こっわ~~~~っ。

そんなインフルエンザと水痘がアスピリン子な娘ちゃんのすぐ近くに迫っている!!

息子、頼むよ~。

この時期に高熱が出るとインフルエンザの可能性が高いのでアスピリンの服用は控えたいが、じゃあ血液サラサラはどうなる?って話にもなるので、まずは主治医に確認かな。

水痘はわかりにくから怖いよね。

そういえば以前サークルでこの話題が出たときに主治医にも聞いてみたのだ。

その時は夏だったので「インフルエンザの季節に高熱が出たら服用を止めてもらう」という程度の話だった。

また外来でちゃんと聞かなきゃな。

そんなわけで今回のアスピリンとインフルエンザのまとめはここまで。

アスピリン子とそのママの皆様、インフルエンザと水疱瘡にはまた違った意味でご注意あれ!

***

その後主治医にきちんと確認をしたところ、「アスピリンは服用をやめてもすぐに体内から消えるわけではないし、実際ライ症候群を発症した人を僕は見たことがない。血液をサラサラにするために飲むアスピリンの量はほんの少量で、それで発症するとは考えにくい。そうは言っても発症の可能性が立証されてる以上は飲み続けてもらうわけにはいかないので、明らかにインフルエンザという診断が出たらアスピリンの服用はやめてください」とのこと。

また水疱瘡については「水疱瘡は感染しても症状が出ないまま終わることもあるので防ぎようがない。インフルのときだけ気を付ければよい」という回答だった。

これはあくまで娘の主治医の判断なので、それぞれお子様の主治医の先生に確認してくださいね。

インフルエンザとアスピリンの関係について知らない人が多い=知らされてない人が多いということは、それほど神経質にならなくていい内容なのかなという気はしてます。

ちなみに娘はインフルエンザも水疱瘡も明らかな罹患はしたことがありません。

*間違いに気づいた方がいらっしゃいましたらご指摘ください。

🍀🍀🍀

ここから10年の間に娘はインフルエンザに数回感染してますが、インフルエンザ陽性が認められてから出席停止の期間だけアスピリンの服用を停止してます。

家庭内感染で検査前から明らかにインフルエンザだと確定してる場合は、発熱した時点から停止してます。

参考までに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?