私が好きなのは古着ではなくなった

なんだかいつからか「私は古着が好きです」という言い方に違和感を覚えるようになった。ここ2.3ヶ月のことなんです。ついこの間まではリバースとかピルグリムとかビンテージリーバイスとか好んで着ていたんだけどもうそれらは嫌いではないけど好きでもなくなってしまった。最近着ていて一番いいと思うのはユーロのUWとか綺麗にフェードしたモールスキンパンツとか。これらもまたユーロ古着とまとめられるとなんか違う感じがする。古着などでいうビンテージというのは今目の前にある個体が良いのではなく、ビンテージディテールが入っているものがすごいと言うような見方をすると思います。例えればリバースウィーブなどであれば80年のタグがついた染み込みプリントのやつがあった時これはいい!と思いつつもその時良いと思っているのは80年の染み込みプリントが入っているスウェットなのです。別に同じようなディテールであっても良い。むしろボディのカラーがレアな物であればすぐそっちの方が良いと思ったりする。古着のビンテージというのはそんな「すごいのを着ているぞ」みたいないたちごっこがなんとも嫌な感じでした。最近私が良いと思う服はちょっと違って目の前にあるその個体がとても素敵だと感じるような服です。持っているので言えば40sのモールスキンパンツがあるのですが、そいつは全体的にすごく良いフェードをしています。言葉でフェードと言ってもフェードとしか伝わらないのですが、ただのモールスキンのフェードとは少し違っています。艶やかなもちもちというよりは少し硬めなややマットな艶感。リペアはほとんどないんだけどポケットの入り口部分のみ少しリペアが入っていたりフロントフックのさびだ感じもリアルで使い込まれたワークならではの雰囲気です。最近はなんだか服をファッションぽく着なくなりました。モールスキンにブーツユーロの少し黄ばんだアンダーウェア、それでいる時が一番落ち着くし昔の裕福ではない頃の愛がつまった時代を少し感じれるような気がします。ジブリのラピュタのパズーが最初に働いている工場や紅の豚のポルコがカーチスと戦うためにイタリア(違ってたらすいません)に渡ってガソリンを入れるあたりのシーンを見てみてください。フィオが「ポルコ、ガソリンの値段が地元と比べて倍なんだけど!」男の子「うちのは混ぜ物なしなんだよ。」の男の子の格好とかワークパンツにサスペンダーを吊ってなんだかそれだけで可愛いんです。そんなリアルな当時を雰囲気を感じるのが服という枠を越えて楽しいんだと思います。

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