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父の三回忌

11月5日(日)に父の三回忌のため一時的に高知へ帰省した。

前日にお墓の掃除をしたのだけど、初夏と思うほどの暑さに驚いて黙々と掃除をして1時間半ほど経って汗ばんだ額をタオルで拭っていると、
母が時折話してくれる「お墓の掃除に来るとカエルが現れてたりしてたから、それはお爺ちゃんが来てると思うの」という話をぼんやり思い出していた。母の中で、お墓掃除に現れる虫は亡くなった人と思ってるらしい。
(検索してもそういう言い伝えとか見当たらなかったので…母の妄想かな)

お墓の掃除を再開しようとしたらゴミ袋のあたりに大きな青々としたカマキリがこちらをジッと見ているのに気づいた。
私は大きな声で「お父さんが来てるよ!」と母に伝えたら大笑いされた。
父は、顔のパーツが大きくて芸能人だと西川きよしさんに似てる。
大きな目でこちらを見ていて、不思議だった。
私が大阪へ帰るまでずっと母が話題にしていた。

法事の当日は、お寺から住職さんが来てくれて御経を唱えてくれた。
その後はお墓参りをして、住職さんが帰られた後は親戚身内あわせて13人で、取り寄せたお弁当を実家で食べた。
いとこ家族とは父の天然ボケシリーズの話で大いに盛り上がった。

そしてまた不思議だったのが、それまでずっと晴れていたのに、
みんなが帰った後すごい勢いの雨が降り、私が大阪へ帰るまで雨の日が2日ほど続いた。母はずっと不思議がっていた。

私はまだ父が亡くなっていないことを受け入れられずにいる。
父は肺がんで、一度摘出したものの再発を繰り返して2回目の手術でも再発したがんの摘出に成功していて「今回もまた何とかなるかな」と楽観していたら、脳へ悪性のガンが転移していたこともあり余命宣告された日数より早くに亡くなってしまった。
父のお見舞いには行ったのだけど、コロナ禍だったため県外からの訪問は禁じられていてライン電話を通して会話をした。
目は澄んでいて髪の毛もまつ毛もあったし、肌の艶もあった、亡くなるとは思えないほど健康には見えたのだけど…
父の魂を全く感じなかった。
確かにそこには父がいるのだけど目も澄んでいて輝いてるのだけど、父の不在な身体にしか思えなくて、今もまだどこかに居るんじゃないかと思ってしまう自分がいる。