即興詩

尿道に左手の人差し指を、爪を食い込ませるように入れてみると、昔リコーダーの中を拭くための棒でオナニーしようと試みた時のことを思い出して、俺は、そうか、チンポとリコーダーは表裏一体、まあツブツブはねえけどよ、と思い至り、蓄膿症で黄色く、セブンイレブンのあんかけ焼きそばに排水溝のチンカスみたいなネギみたいなヘドロをぶちまけたイカスミスパゲッティの臭いがする膿を垂れ流しながら、泣き明かした。
尿道の先からは爪でドロンドロンと血が、亀頭に湯葉みたいにへばりついた恥垢の地割れに沿って流れ出て、未だむけきらず癒着し、無理にむこうとする度に充血する包皮とカリの間に溜まる。
俺は黒カビが壁中に這う安いユニットバスでやっていたんだが、最近抜け毛をパイプユニッシュで溶かすのを忘れていて、シャワーを浴びると便器脇の排水溝からヘドロ水が溢れ出すので、仕方ねえから排水溝の奥の、恐らく尿からできた砂利と一緒に溜まっている俺の髪の毛をジョリジョリと引き抜かないといけないが、なんせ俺はロン毛だから、一本一本が絡みついて、奥の方に引っかかって力良く引っ張らないといけず、そうやって無理に抜くと顔に水がピチョンと付いてしまう。
あの味は尿と石鹸と大便のカスのせいで少し苦く、俺はよく流れるように便器にゲロを吐く訳だが、大抵すぐ前にドラッグストアで100円前後で買った焼きそばを食っているので、ソースに染った茶色の、所々咀嚼しきれず麺の原型を留めたものが口から出てくる。
尿道から出る血は左手で掴まれている髪に滴り、俺は額を便座に着けながら、便器の水に溜まるゲロが黒ずみと糞と交わっていく様を静かに眺めるのである。

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