新規採用職員研修について

10年以上前なので・・・

地方公務員の話です。

4月1日より公務員になったよ!という人の多くは、最初の1週間か2週間くらいはお客様期間(?)であることをさほど感じられずにいきなり業務に投入されることと思います。
例えば、窓口業務(市民課とか税関係とか)がある部署では、お客様の1人か2人を先輩とOJT(のようなもの)で一緒に対応した後は、もう大丈夫だと言わんばかりに放り出されます。
部署名を覚えてなくても、電話が鳴れば取らないと怒られます。
伝票も中身が分からず、前年度のコピーを見ながら切らされます。
結構理不尽ですね。

それでも大抵の市町村では、新規採用職員向けの研修というものが用意されていて、入庁して1~2週間以内に3~5日程度の研修を受けることになります。
私が勤めていた市役所は、自分が入庁した時の研修期間は5日間でしたが、「研修で人手不足になり業務に支障が出るから」という理由で3日間に短縮されました。それでいいのか。

研修はどんな内容?

「新規採用職員 研修」とググれば研修を請け負う会社のHP出てくるのでそちらを参照してください。
だいたいどこの市町村もこんな感じではないでしょうか。

  • 首長のお話

  • 各部署の概要について

  • 接遇、クレーム対応、行政暴力事案の対応

  • (公)文書の書き方

  • 法制(主に地方自治法)

  • メンタルヘルスとか諸々

この研修の講師は職員であったり、接遇なんかは外部講師を呼んで行うことが多いのではないかと思います。
行政暴力事案なんかは、地元の警察の方が来て、ヤ〇ザ風の脅しをかけていくことも。
なので研修の質というのも、配られた資料をただ読み上げるだけの内容だったり、講師がやる気スイッチ入ってグループワーク多めだけどグダグダになってたりと、何とも言えない状態になることが多いのではないでしょうか。
特に職員が講師の場合は片手間の仕事になりがちですよね。

受ける側もどうなのか

受ける側は受ける側でねぇ・・・というところでしょうか。
新規採用職員も様々です。やる気に満ち溢れている人もいれば、とりあえず腰掛けでと考えて入っている人からモチベーションはバラバラですので、グループワークで意見がたくさん出で刺激になることもあればその逆もしかりです。
私個人の話であれば、資料をひたすら読み上げる研修を受けているときは学生時代のお昼寝タイムが身体に染み付いていたこともあり、ひたすらペンを手の甲にぶっさして睡魔と戦っていたことを思い出します。

受ける側が様々、という点でもう一つ。
職員の職種がバラバラ、ということです。
職種がバラバラ・・・公務員は「一般」「土木」「機械」「保健士」「社会福祉士」「消防士」等々、職種が分かれています。
当然のことながら、職種によって必要となるものが異なるので、職種に合わせた研修が理想なのですが、新規採用の段階でそれを分割するのは難しいでしょうね。

研修は必要?

確かに3日間とか5日間とかで身につくコトはさほどないでしょう。
例えば、接遇研修受けたら電話応対が格段に良くなることなど絵に描いた餅です。
でもせっかく新規採用職員研修を受けるのであれば、その機会を活用して学生気分だったり前職のマインドだったりを「抜く」機会とすればよかったなと今では思います。気持ちを切り替える機会とするというか。
別に学生時代の考えを捨てるとかそういうことではなくて、「公務員ってこういう考え方するんだ、へぇー」といったマインドを持てれば、その後の業務でストレスを軽減できたんじゃないかな、と。公務員として働きはじめて一番最初に感じたストレスはここだったというか、自分の感じ方考え方とのギャップだったんですよね。だから思考パターンに逃げ道を作る、というのかな、そういったことが達成できれば、新規採用職員研修としては実りあるものになったんじゃないかなとこの時期になると逡巡します。

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