教師と学生のプレッシャー
先週から新しいクラスを担当することになった。
3クラスで計7名
全員ベトナム人日本語教師。
しかし、どういうわけか『いろどり 生活の日本語』の初級2A2から始める。どう考えても簡単すぎて、レベルが合っていない。一応確認はしたが、A2レベルで間違いないということであった。
どんな意図があるかはわからないが、決められた以上はやるしかない。
いちばんの懸念点は時間が余るであろうこと。実際に2回目は予定されている練習は12分ぐらいで終わり、あとは他の練習をすることになった。
当然予想されていたことなので、問題なく授業はできた。しかし、一応教科書を使ったレッスンをしているので、これで本当にいいかと疑問は拭えない。
第1課のトピックは簡単に言うと自己紹介。1回目で自己紹介(カジュアル)をやり、2回目は職場での自己紹介の事前練習。3回目で職場での自己紹介を行うといった流れ。そのうちの2回目は事前練習なので、基本的に聴解を聞いて、追加の練習をして終わり。それで12分程度。残りは「学生と社会人」というテーマで、会話をしていくことにした。
受講者は社会人なので、学生時代と社会人との違いや、経験したこと、大変なことなどを聞いて、会話を広げていった。これだと逆に時間が足りなくなってしまったが、頭を使う内容なので、手応えはあった。
受講者が日本語教師ということから、初回の授業前も授業中もたいへんなプレッシャーだなと思っていた。授業内容や教え方にも注目されて見られているのではと勘ぐってしまった。とはいえ、それも大切な視点だと思うので、授業ではその点を意識する必要もあるだろう。
日本語教師であっても、その日本語能力には多少なりとも「差」がある。そして、自身の能力に自信がなかったり、間違えたくないとか、上手だと思われたいとか人にはいろんな感情がある。それは私もそうだし、受講者もそうである。
日本語教師であるという立場で、初級後半の授業を受けることが、プレッシャーを与えていると感じる。
私はつい「次の練習はぜんぜん難しくないですよ」などと言ってしまっていたが、これはよくない。余計にプレッシャーを与えていたと思う。
プレッシャーではなく、双方にいい緊張感を感じられる授業を作らないといけない。まずは話すことばから気をつけないといけない。それから、これまでに作っていた教材を見直していかないといけなくなったのは、大変なことだが、いろいろと鍛えられることはあるだろう。
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