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「スーパーリスナー」――子どもの意見表明を支援するために

 子どもの意見表明を支援する大人はどのような存在であるべきか――子どもたち自身の声をもとに、スコットランドで「スーパーリスナー」(Super listner)像が提示されています。

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 このイメージは、スコットランド女性エイド( Scottish Women's Aid)とスコットランド子ども・若者コミッショナーが2016年に実施した参加型プロジェクト「パワーアップ/パワーダウン」(Power Up/Power Down)の一環として、6~17歳の子ども・若者27人の声をもとにして作成されたものです。別居親との面会交流について決定する手続での意見表明支援が念頭に置かれていますが、他の場面でも参考にできそうです。

 このイメージは、ドメスティックバイオレンス等を理由に別居・離婚した家族を対象とする子どもの面会交流手続への子ども参加の向上を目的とする欧州国際プロジェクト「子どもの面会交流における正義の向上」(IJCC: Improving Justice in Child Contact)によって、現在8か国語に翻訳されています

 以下、そこに掲げられている15の資質を日本語で紹介します(番号は参照しやすいよう平野が付したものです)。

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【左側】
1)親切(kind)
2)自分がやっていることをわかっている(knows what they are doing)
3)プレッシャーがあっても落ち着いている(remains calm under pressure)
4)手ぶりを交えて話をする(uses hands to communicate)
5)カジュアルな服装(casual clothes)
6)子どもを信じる(believes children)
7)優しくてフレンドリー(caring and friendly)

【右側】
8)問題を見る目(eyes to see the problems)
9)コミュニケーションするための口(mouth to communicate)
10)子どもの権利についてわかっている(knows about children's rights)
11)敬意を払ってくれる(respecful)
12)一方的な決めつけをしない(non-judgemental)
13)自分のために大人に話をしてくれる(will talk to grown-ups for you)
14)笑わせてくれる(can make you laugh)
15)約束したことはやる(do what they promised)


 なお、ウェールズ(英国)の全国子ども・若者参加基準(2016年)なども参照。


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