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持論・雑考・創作論

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#歴史

【創作論】歴史創作界隈の炎上で感じた、故人へのリスペクトとは?

 歴史創作が炎上している。  詳しく追えてはいないが、実在していた故人、或いは子孫へのリスペクト問題は、中々難しいところ。  僕とて、亀井主水をあんな風に書いたものだから、亀井南冥のご子孫からのお叱りは当然だと覚悟していた(今のところは無問題)  歴史創作のスタンスは、人によって様々だ。しかもリスペクトなどという精神的なものは、作風とは乖離することもあるので、話がややこしくなる。 「BLのネタにしているけど、リスペクトはしています!」という作者に、「どこがやねん!」と突っ

【創作論】歴史・時代考証に関するスタンス

 歴史時代小説で、考証はどこまでするべきか?  こうした質問が時々届く事がある。  その度に答えているのだが、改めて記事として「自分自身に言い聞かせる」為に残しておこうと思う。  また、これを誰かに強要する気は毛頭ない。あくまでも僕だけのルールだ。  なので、「こんな考えもあるんだね」と思って聞いていただきたい。  では、本題に入る。  考証はするべきかどうか? するとしてどこまでするべきか?  これについての僕の答えはこうだ。 「好きにしたらいい」  小説はエンタメ

【持論】「同志少女よ、敵を撃て」の直木賞ノミネートと、歴史時代小説の地殻変動について

これを読んでいる方の中には、感じている方もいると思うが、現在「歴史時代小説」というジャンルが、大きな地殻変動を起こしている。 その事については、常日頃からTwitterで提唱している事であるが、この流れは「同志少女よ、敵を撃て」の大ヒットと第166回直木賞のノミネートで、更に加速するだろう。 さて、そもそも歴史時代小説の地殻変動とは何か? だが、それは端的に言うと「歴史時代小説として扱われる範囲の拡大」である。 では、この流れはどこからだろうか? と考えた時、川越宗一先生